8月8日(ブルームバーグ):ロンドンにあるプレイボーイクラブで最も魅力的なのは何だろうか。もちろん、料理だ。
ヒュー・ヘフナー氏が創業したプレイボーイクラブは、バニーガールが既に時代遅れになってしまった1980年代に閉店された。今年5月に生まれ変わって開店した同クラブは、セレブを引き付けてやまなかった66年の創設当時の華やかさを再現することを目指している。
このクラブの入会金は1000ポンド(約12万8000円)。これに加え年会費1200ポンドが必要だ。高額な費用にもかかわらず、クラブへの関心は極めて高い。
料理はジュディ・ジュ氏が責任者を務める。ジュ氏は米コロンビア大学を卒業後、モルガン・スタンレーのニューヨークとサンフランシスコのオフィスで勤務した経歴の持ち主。この後、ニューヨークのフランス料理学校、フレンチ・キュリナリー・インスティチュートでシェフになる訓練を受けた。著名シェフ、ゴードン・ラムゼイ氏の旗艦店で働いた後、英国の料理番組「アイアン・シェフ(料理の鉄人)」に出演。現在では米国版アイアン・シェフの審査員を務めている。
クラブは2つの階にある。下の階は欧州カクテル界の大御所の1人、サルバトーレ・カラブレーゼ氏が中心となって運営するバー、サルバトーレズ。同氏が担当してくれれば何も心配する必要はない。
ウェブサイトによると、隣はカクテルラウンジで、「バニーガールがやって来る」。照明を暗くした豪華な室内ではディスクジョッキーがレコードを回し、小さなステージがある。ここにバニーガールが時々やって来てダンスを披露する。室内は60年代と70年代当時のクラブの面影をほうふつとさせるデザインになっている。
(私の思い出はこれとは少し違う。私は70年代半ばにロンドン・スクール・オブ・エコノミクスで最初の女性学コース、つまり性の社会学を学んだ少数派の男性の1人だった。私が当時、このクラブの近くを訪れたとすれば、それは抗議デモのためだっただろう。今年5月にクラブの開店パーティーに足を運び、デモ参加者の傍らをきまり悪い気分で通り過ぎた私は、そんな当時のことを思い出していた)
バニーガールの序列
上の階ではゲームが行われ、バニーガールたちがテーブルの列に陣取る客から賭け金を集めている。(バニーガールの世界には序列がある。「レギュラー」のバニーガールは赤い衣装を、「ディーラー」や「ホステス」のバニーガールは黒い衣装を身に付けている)
ジュ氏のメニューにはシーザーサラダやカキ、ロブスターロール、ステーキ、マカロニとチーズのトリュフとキノコ添えなど主に米国料理が並ぶ。カモ肉のフライやスターター数種のほか、韓国系であるジュ氏が受け継ぐ韓国料理の伝統的な味が加えられた一層興味深い料理を選ぶこともできる。
ロンドンのシェフが米国料理で成功するチャンスは限られているがジュ氏は例外だ。食材と調理法は申し分なく料理は想像力に富んでいる。メニューにはおなじみの品々が並ぶが、どれもひねりが効いていて十分に楽しめる。
プレイボーイクラブ14 Old Park Lane, Mayfair, W1K 1ND.Tel. +4420-7491-8586;http://www.playboyclublondon.com/home/.
(バインズ氏はブルームバーグ・ニュースの芸術・娯楽部門の主任料理評論家です。この記事の内容は同氏自身の見解です)
0 件のコメント:
コメントを投稿