8月5日(ブルームバーグ):世界一の富豪であるメキシコのカルロス・スリム氏(71)が、今週に入り4日間で約80億ドル(約6280億円)失ったことが分かった。
ブルームバーグのデータによれば、同氏の株式ポートフォリオは米ドル換算で7月29日から8月4日までにおよそ11%縮小し、約630億ドル相当。同期間で米S&P500種株価指数は7.1%下げた。
米経済の減速でメキシコ資産の需要が悪影響を受けるとの懸念を背景に、メキシコの主要株価指数であるボルサ指数は7.4%下げ、通貨ペソは対ドルで2.5%値下がり。スリム氏もこの影響を被った。さらにボルサ指数からスリム氏所有の企業が3社除外されることが、同氏に追い打ちをかけた。
バンガーディア・カサ・デ・ボルサ(メキシコ市)のトレーダー、レオン・カブレラ氏は「スリム氏は、ボルサ指数から除外される企業の影響で特に大きな打撃を受けている」と指摘。「世の中の不安感を反映している。市場に参加している以上、避けることはできない」と加えた。
中南米最大の携帯電話サービス会社でスリム氏が保有する最大の資産であるアメリカ・モビルは今週6.9%下落。スリム氏が保有するメキシコ株で今週上昇しているのは、アメリカ・モビル傘下のテレフォノス・デ・メヒコ(テルメックス)のみ。テルメックスは、アメリカ・モビルが未保有株の取得を提案したことに反応して11%上げた。
スリム氏の広報担当、アルトゥロ・エリアス氏はコメントを控えた。
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