2011年7月3日日曜日

商品市場が第2四半期に08年以降で最大の下げ、穀物価格の下落が圧迫

[ニューヨーク 30日 ロイター] 商品(コモディティ)市場は第2・四半期に、四半期ベースで2008年の金融危機以降最大の下げを記録した。穀物価格の下落に圧迫された。

 原油など19商品の先物相場で構成されるロイター/ジェフリーズCRB指数は第2・四半期に6%低下。リーマン破綻後に世界的な金融危機が発生した08年第4・四半期以降で最大の下げとなった。30日は0.75ポイント(0.22%)安の338.05。

 商品市場の第2・四半期のパフォーマンスは株式・債券市場を下回った。同四半期のS&P総合500種の下落率は約0.5%。米投資適格級債のバークレイズ・キャピタル・アグレッシブ・インデックスは2.4%高。

 原油と農作物価格の見通しは、今年に入ってからの供給懸念が後退するに従って、特に不安定になっていると一部のエコノミストは指摘している。

 米国の失業問題やユーロ圏のソブリン債務危機、インフレへの対応で中国経済が鈍化していることなど、世界経済をめぐる懸念も商品市場の見通しを圧迫している。

 ナショナル・オーストラリア銀行の商品エコノミスト、ベン・ウェストモア氏は「引き続き、値動きの荒い展開が見られている。これは、世界的な成長にむらがあり、一部が非常に弱いことを反映している。こうした経済状況が当面、市場全般に影響を与える見通しだ」と指摘した。

 トウモロコシ先物は30日および第2・四半期の取引を10%安で終え、1ブッシェル=6.20ドルを下回り、3カ月半ぶりの安値をつけた。

 小麦先物も30日、9%下落し、2010年7月以来の安値となる1ブッシェル=5.85ドルを下回る水準をつけた。

 小麦先物は第2・四半期には23%下落。綿花の約41%下落に次いで2番目の下落率を記録した。大豆、小麦、トウモロコシがCRB指数に占める比率は合わせて18%で、原油の25%に次ぐ大きさ。

 米原油先物は30日、小幅上昇し、1バレル=95ドルをやや上回る水準で引けたが、第2・四半期は11%安となり、CRB指数と同様、08年以降で最悪のパフォーマンスとなった。

 北海ブレント先物も30日は小幅高の1バレル=112ドル超をつけたが、第2・四半期は5%安と、2010年第2・四半期以来の大幅な下げとなった。

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