[東京 1日 ロイター] 船井財産コンサルタンツは1日、国内で初めて、資産家・富裕層、企業・法人のオーナーに特化した財産に関する調査リポート「財産白書」を発表した。
日本国民の保有する金融資産額は、日銀の資金循環勘定にある「家計資産総額」から不動産等を差し引いた1400兆円という数値がしばしば引用されるが、白書によると、これには個人事業主の事業性資金が含まれており、いわゆる個人の資産という概念から、差し引いて考えるべきとの見方を示している。
こうした見方をベースに、個人金融資産について2009年の全国消費実態調査結果を基に試算すると、個人金融資産総額は672兆円で、これは日銀の資金循環勘定から算出される家計金融資産の46%となった。このうち負債は206億円となり、これを差し引いた正味金融資産は466兆円、としている。
また個人事業主を含まない個人の資産内訳(09年)では、不動産が全体の66.4%(このうち54.1%が自宅)を占めており、現預金や生命保険、有価証券などの金融資産はわずか24.7%だった。一方、この個人の資産内訳を時系列でみると、1989年には不動産が77%を占めており、約20年で11%低下した。
個人が豊かなセカンドライフを送るには、金融資産をいかに有効に運用・活用するかがテーマとなる中で、船井財産コンサルタンツの蓮見正純社長は、財産の半分以上を自宅が占めるという現実の中で、自宅をいかに財産としてとらえ、豊かな生活のために使っていくかが今後の大きなテーマだと指摘。不動産価値の低下についても、「黙って見過ごすわけにはいかない。毎年毎年、自らの財産が失われていっているという事実を認識し、財産の運用と保全について考えていく必要がある」とコメントした。
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