2011年6月26日日曜日

中国の米国債保有、月次統計でのドル売りにリスクも-シティグループ

6月22日(ブルームバーグ):米財務省の月次データで中国の米国債保有の減少が示されたとしてドルを売るのは、早まった投資行動かもしれない。シティグループのスティーブン・イングランダー氏が指摘した。

  シティでG10(主要10カ国)通貨戦略責任者を務めるイングランダー氏は電子メールを通じたリポートで、「ドル売り・買いのシグナルとして、月次統計を活用するつもりはない」とし、「月次データは誰が米国債を購入・売却したかについて、著しい誤解を与えかねない。後にベンチマーク改定を施した統計が公表されるまで地域ごとの仕分けは極めてお粗末だからだ」と説明した。

  中国による米国債保有の減少を示す財務省の統計は、過去数年、増加に改定されてきているとイングランダー氏は指摘する。中国は外国勢では最大の米国債保有国。

  同氏は22日に発表したリポートで、中国人による購入の過小評価につながるきついバイアスがかかっているため、同国が米国債保有を減らしつつあるとの観測は時期尚早である可能性が高いと分析。「毎年6月は、財務省のベンチマーク改定により、中国の米国債保有が大幅に上方修正される」と同氏は指摘した。同改定では受益権所有者の所在地がベースとなる。

米財務省が先週発表した統計によると、中国の米国債保有額は4月に半年ぶりに増加。同国の中・長期米国債保有額は0.8%増加し1兆1490億ドル(約92兆6000億円)と、昨年12月の1兆1450億ドルを超えて過去最高となった。

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