2011年6月26日日曜日

ピカソが愛人2人を描いた肖像画2点、計41億円で落札-予想上回る

6月21日(ブルームバーグ):パブロ・ピカソが愛人2人をそれぞれ描いた肖像画2点が計3150万ポンド(約41億円)で落札された。他の芸術家の作品についてはコレクターの選択眼が鋭さを増す中、ピカソの作品をめぐっては引き続き争奪戦が繰り広げられている。

  クリスティーズ・インターナショナルが21日、ロンドンで開いたオークションで、ピカソの愛人、マリー・テレーズ・ワルテルが両腕を組んでうたた寝をしている様子が描かれた「Jeune fille endormie」が1350万ポンドで落札された。その数分後、別の愛人、ドラ・マールを描いた「Femme assise, robe bleue」に1800万ポンドの値が付いた。オークションには、これらを含め印象派や現代美術の作品計92点が出品された。

  ディーラーらによると、バイヤーは最高の作品のみを選んでいる。今回のオークションでは、印象派の画家クロード・モネがフランスのジベルニーにある池を描いた「Nympheas」が出品されたが、応札はなかった。この作品は1700万-2000万ポンドでの落札が予想されていた。

  ワルテルの肖像画の予想落札価格は900万-1200万ポンド。1935年作のこの作品を購入したのは、オークション会場で応札したロンドンのピムズ・ギャラリーのアラン・ホバート氏。売却したのは匿名の所有者で、収益はオーストラリアのシドニー大学に医学研究の資金として寄付される。クリスティーズによると、この作品が公の場に姿を現したのは70年ぶり。

  マールの肖像画は1939年作。1800万ポンドで落札され、予想価格の400万-800万ポンドを大幅に上回った。クリスティーズのシニアディレクター、トーマス・セイドー氏が電話で顧客の指示を受け、落札した。売却者はこの作品をスイスのアートディーラー、エルンスト・バイエラー氏から1968年ごろに購入したという。

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