[ワシントン 18日 ロイター] 米連邦債務上限の引き上げをめぐる与野党の協議が続いているが、一部の共和党議員からは債務上限の引き上げが遅れても壊滅的な事態にはならないとの声が上がっている。
オバマ政権は債務上限引き上げの最終期限を8月初旬としているが、与野党の協議がこの期限までにまとまらない可能性がある。
一部の共和党議員は上限引き上げで合意できなくても、市場の理解は得られるのではないかと発言。
共和党のエリック・カンター下院院内総務は「この期限を過ぎれば壊滅的な事態に陥るという言葉に、市場は騙されないだろう」とし、「市場は真の改革を求めていると思う」と述べた。
こうした主張の背景には、政府には利払い費を上回る税収があり、債務の返済は可能との見方がある。
共和党のパトリック・トーミー上院議員もアメリカン・エンタープライズ研究所の講演で「債務上限の引き上げが長期間実現しなければ、混乱があるだろう」とした上で、「ただ、壊滅的なデフォルトではないということも忘れてはならない。混乱が続くことと、壊滅的な事態に陥ることはイコールではない」と述べた。
オバマ政権は事態を深刻に受け止めている。
政権幹部は「他の債務が不履行になりつつある中で、誰が国債を買うのか」と指摘。「何を払い、何を払わないかということを毎日綱渡りで決めなければならないというのは、あり得ない事態だ」と述べた。
著名ファンドマネジャーのスタンレー・ドラッケンミラー氏はウォールストリート・ジャーナル紙とのインタビューで、国債の利払いが数日遅れることより、議会が長期的な財政健全化策で合意できないことの方が心配だと発言。
共和党のライアン下院予算委員長は17日、CNBCに「たとえ国債の支払いが1日か2日、もしくは3─4日遅れたとしても、もっと重要なのは、長期的に債務を返済できる体制をしっかり整えることだ」と述べた。
証券会社ブラッドレー・ウッズのアナリスト、ダン・リップ氏は、たとえ財務省が政府職員へのIOU(借用書)発行を強いられる事態になっても、利払いが続く限り、国債市場は混乱しないろうと指摘。
ただ、利払いが滞れば、格付けに取り返しの付かない影響が出る恐れがあるとの見方を示した。
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