中央日報日本語版 5月11日(水)17時10分配信
京畿道南揚州市(キョンギド・ナムヤンジュシ)で大規模な店舗を所有するキム社長は最近、頭を悩ませている。共同投資をした米ワコビア(昨年ウェルズ・ファーゴに合併)が突然、売却を決めたからだ。
キム社長は「店舗の賃貸は85%以上にのぼり、うまくいっているのに、処分するというから困っている」とし「米国本社で韓国の不動産を処分しろという指針を受けたという言葉だけ聞いた」と伝えた。
ワコビアを買収したウェルズ・ファーゴは昨年7月、不動産部門を韓国から完全に撤収させた。グローバル投資銀行を中心にした外国系投資資本が国内不動産を売買して差益を得るのは昨今のことでない。
米国系私募ファンドのローンスターが00年代初期、ソウル江南区駅三洞(カンナムグ・ヨクサムドン)のスタータワー(現江南ファイナンスセンター)に投資し、約2400億ウォンの差益を出した事実は社会的な問題になったりもした。ローンスターはその後、極東建設を買収するなど再投資でまた収益を出した。
ところが最近の外国系投資資本の動きは以前と違う。再投資をしない。今までは売買を繰り返してきたが、最近は売却してそのまま出ていく。業務がなくなった韓国支社の不動産チームも姿を消している。
◇再投資せず=最近は買わずに売るのが大勢だ。投資コンサルタントの関係者は「通貨危機後に始まった外国人の10年投資が終わるという感じ」と話した。
モルガン・スタンレーは通貨危機後、韓国の不動産に最も攻撃的に投資した会社だった。この10年間に10件余りのビルを売買したほか、仁川(インチョン)松島国際業務地区の開発に参加したりもした。いま残っている資産はソウルスクエア(旧大宇ビル)だけだ。これもシンガポール企業に管理を任せて撤収し、最近、売りに出したといううわさも出た。
08年にバンク・オブ・アメリカ(BOA)に買収された米国のIBメリルリンチはソウル水下洞(スハドン)の大型オフィスビル「センターワン」の持ち分(50%)を昨年下半期にすべて処分した。 メリルリンチは05年に取得したソウル瑞麟洞(ソリンドン)のSKグループ本社ビルを今年3月末に売却した。 このビルを売却し、1000億ウォンほどの差益が発生したが、再投資はしていない。
京畿道高陽市(コヤンシ)韓流ワールドのテーマパーク造成事業に30%出資したワコビアは元金120億ウォンに2年8カ月間の投資収益金57億7000万ウォンを含む計177億7000万ウォンを回収した後、韓国から完全に撤収した。
長期投資のために入ったグローバル投資銀行も次々と抜けている。 豪州のマッコーリーは09年にソウル忠武路(チュンムロ)の極東ビル、昨年は中区雙林洞(サンリムドン)スマートフレックスビルを国民年金公団に3400億ウォンで売却した後、他の不動産購入には関心を見せていない。
外国系投資資本は通貨危機後、不動産市場が息を吹き返した00年代初めに本格的に流入した。 投資対象は主に通貨危機当時に価格が急落した大型オフィスや店舗だった。 価格が上がれば売却して相場差益を得るのが投資目的だった。
しかし最近は大型オフィス市場でこういう動きは見られなくなった。 三星(サムスン)資産運用のチョン・スンフェ不動産投資チーム長は「売ろうというIBはあっても、買おうとする外国系資本はほとんどない」とし「最近取引された大型オフィスビルもほとんど国内資本が購入している」と述べた。
実際、昨年10-12月期にソウルで取引された延べ面積5000平方メートル以上のビルはほとんど韓国企業・機関が購入している。 メリルリンチの売却分は未来アセット資産運用が引き受け、マッコーリーが処分した極東ビルは国民年金が取得している。 瑞麟洞のSKグループビルもSKグループが買い戻した。
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