2011年5月14日土曜日

ジム・ロジャーズ氏:ドルは長期的に「最悪」-人民元は安全

5月11日(ブルームバーグ):ロジャーズ・ホールディングスのジム・ロジャーズ会長は、ドルは長期的に見て「最悪の状況」となるとの見方を示した。米国が世界最大の債務国であることや、米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長が推し進める金融政策をその理由に挙げた。

  一方で、中国人民元は「安全」な通貨となる可能性が高いと指摘。ただ投資家が買うのは難しいと加えた。ロジャーズ氏は、英エジンバラでの会議で発言した。

  同氏は「米国の状況は悪化しつつあり、深刻な問題が起こると予想している」とし、「バーナンキ博士は経済学を分かっていない。金融についても理解していない。彼が分かっているのはお金を刷ることだけだ。次に景気が減速した時にマネーの量を4倍にはできない」と言明した。

  為替相場については「たぶんこの秋に為替相場で一層の混乱が起き、2013年までにはさらに混乱が深まると予想している」と述べた。現在はドルを買い進めているとし、ドルが下落するとの見方が市場のコンセンサスになっているためと説明した。

  このほか、保有する他のポジションのヘッジとして中国を除く新興市場および米テクノロジー関連株を空売りしていることを明らかにした。

  債券市場については「米国の債券市場は30年間強気相場が続いた」とし、「私の見方では、それは終わりを迎えつつある」とした。また「現在債券の空売りはしていない」とし、市場では95%が債券の下落を予想しているためだと説明した。

  商品の強気相場がいつ終わるかについては予想できないとコメント。「探すべき兆候は分かっている」とした上で、「そうした兆候を認識できるだけの賢さが自分にあることを望んでいる」と続けた。

  また、農業のほか、太陽光・風力発電といった代替エネルギーの分野で向こう数年間「大きな富を築くことができる」との見方を示した。

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