4月19日(ブルームバーグ):新興市場では、1997年以降で最も長い株式相場の上昇局面が終えんを迎える可能性がある。ブラジルやロシア、インド、中国の政策金利引き上げにより、企業の利益の伸びが抑制される恐れがあるためだ。
ブルームバーグとモルガン・スタンレーが集計したデータによれば、新興市場担当のアナリストが利益予想を引き下げた数は、この2年で初めて引き上げを上回った。消費関連株は資源株に後れを取り、小型株のパフォーマンスは大型株を下回っている。同様の展開は2008年の上昇局面が終わる前兆になった。
MSCI新興市場指数は年初から0.9%上昇。投資信託の投資家はこの5カ月で最も速いペースで新興市場株を購入しているが、同指数の株価純資産倍率(PBR)は約2.1倍と、過去15年の平均を11%上回る。ソシエテ・ジェネラルやバークレイズ・ウェルスは、インフレで過去最高水準にある企業の利益率が低下するとして、顧客に新興市場への投資を減らすよう勧めている。
バークレイズ・ウェルスの投資戦略部門グローバル責任者、ケビン・ガーディナー氏(ロンドン在勤)は、新興市場では先進国よりも「インフレリスクがより一層顕在化している」と指摘。「成長が鈍化し始める一方で、バリュエーション(株価評価)は最高水準にあるようだ」と語った。
中国やインドでは3月、高成長が続く両国への資金流入や商品相場の上昇が政策当局の物価抑制への取り組みの妨げとなる中、エコノミスト予想を上回るペースでインフレが加速した。ブラジルでは3月の消費者物価指数(CPI)上昇率がこの2年余りで最も高い水準に達し、ロシアのインフレ率も過去最高を記録した2009年10月の水準まであと0.1ポイントに迫った。
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