12月28日(ブルームバーグ):イタリアの高級スポーツカーメーカー、フェラーリが今年10月に開設したポーランドで初のショールーム。この場所は共産党が以前使っていた建物だ。
フェラーリ・ワルシャワのゼネラルマネジャー、ダンテ・チンクエ氏は、「海外で考えられているよりポーランドは全ての面でずっと好調だ」と話す。ショールームのオープン前に既に何人もの見込み客を抱えていた同氏は、「ポーランドで富が生まれつつあるという気がする」と言う。
世界銀行がまとめた為替レート調整後の統計によれば、ポーランド経済は2009年、オランダを抜き、欧州連合(EU)加盟27カ国の中6番目の規模となった。人口3820万人のポーランドは昨年、プラス1.8%成長と、EUで唯一マイナス成長を免れた。大半の国が第2次大戦後最悪のリセッション(景気後退)からの回復に向け苦しむ中、世銀はポーランドの経済成長率が今年、プラス3.5%に達すると予想する。
ワルシャワ証券取引所のWIG20種株価指数は今年に入りドル建てベースで11月末までで9%余り上昇。欧州株の指標であるストックス欧州600指数の3%高を大きく上回っている。
国内外の企業がワルシャワ証取への上場を進め、ポーランド政府が10、11両年に計400億ズロチ(約1兆800億円)相当の国有資産売却を計画していることもあり、クレディ・スイス・グループやゴールドマン・サックス・グループ、モルガン・スタンレーはワルシャワでのビジネスを拡大している。
「成長のとりで」
ポーランドの4300億ドル(約35兆円)規模の経済は、自動車部品やドイツが最終的に輸出する機械といった製品を手掛ける製造業がけん引している。09年初めから導入された減税措置により個人所得税の最高税率は従来の40%から32%に引き下げられた。ズロチが対ユーロで08年初め以降9.7%下落したことも市場競争力を強めた。
EUはポーランドに13年末まで670億ユーロ(約7兆2400億円)の支援が割り当ている。EUで最大の支援を受けているポーランドだが、トゥスク首相は就任3年目を迎えた11月16日の記者会見で、「われわれは成長のとりでを築き上げた」と表明した。
ポーランド10年物国債のドイツ国債に対する利回り上乗せ幅は12月16日に290ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)と7カ月ぶり低水準に縮小した。クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)市場でのポーランドの5年物国債CDSスプレッド、つまりデフォルト(債務不履行)に対する国債保証コストは27日現在で146.500bpと、ユーロ圏のポルトガル(496.305bp)より小さい。これはポルトガルよりもポーランドの方がデフォルトリスクが小さいと投資家が判断していることを示している。
チンクエ氏によれば、ガレージにフェラーリ10台を置いている顧客も何人かいる。顧客の大半が企業のオーナーや銀行や不動産などの業界関係者だという。
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