[プラハ 29日 ロイター] 著名エコノミストのヌリエル・ルービニ氏は29日、ポルトガルが今後、国際支援を要請するとの見通しを示した。スペインも金融システム安定化費用が政府予想を大幅に上回るとして、支援要請に追い込まれる可能性があると予想した。
ギリシャについて、最終的に債務再編を余儀なくされるとした。また、弱い成長見通しを受けて、欧州中央銀行(ECB)を含む各国中銀が一段の緩和策実施を迫られるとの見通しを示した。
ルービニ氏は会合で「(救済は)ギリシャ、アイルランドで実施された。ポルトガルでも実施される。問題はスペインが支援を要請するかどうかだ。基金はスペイン救済には十分ではない」と発言した。
スペインは財政・債務状況がほかのユーロ周辺国よりも良い一方、高水準の失業や不動産バブルの崩壊を背景に、銀行セクターがアイルランドと同様に緊急支援を必要とする可能性があると述べた。
「(スペイン)金融システム安定化の最終費用はこれまでの政府の予想を大幅に上回るだろう。(銀行の)ストレステスト(健全性審査)は十分に厳格ではなかった」と語った。
ギリシャの債務再編については、過去のロシアやアルゼンチンの例を挙げて不可避とし、「債務再編が行われるかどうかではなく、いつ行われるかが問題だ」と述べた。
また先進国の経済成長は減速すると予想。在庫積み上げサイクルの終了や大規模な景気刺激措置の終了、一段の歳出削減、成長データに対するベース効果の強まりを理由としてあげた。
量的緩和第2弾(QE2)実施に踏み切った米国も、日本やユーロ圏周辺国とともに景気の二番底に陥る恐れがあるとの見方を示した。ドイツは例外となる可能性があるとした。
同氏の推計では、米QE2の規模が実際の6000億ドルを上回る1兆ドルだった場合でも、2011年の国内総生産(GDP)伸び率を0.3%ポイント押し上げるに過ぎないとしている。
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