[ロンドン 29日 ロイター] 米経済学者のヌリエル・ルービニ氏は29日、英フィナンシャル・タイムズ紙(FT)に寄稿し、米国は「財政面で悲惨な状況」にあり、景気停滞期に突入するリスクがあるとの認識を示した。
ルービニ氏は米住宅バブルの崩壊を予測、「悲観論の帝王」の異名で知られる。
同氏は、米国は景気刺激的な金融・財政政策で恐慌を免れたが、連邦準備理事会(FRB)が来月3日に発表するとみられる追加の量的緩和には、来年の国内経済成長率を押し上げる効果は期待できないと指摘。
このため「二番底の景気後退を防ぐために、財政政策が一定の役割を果たす必要がある」と述べた。
ただ、米国の財政は「持続不可能な道」を辿っており、中間選挙後に予想される議会の構成では、財政改革は事実上棚上げされると指摘した。
同氏は「財政面で何かが限界に達し、米国の大きな州で債務の繰り延べ危機が起きる恐れがある」と予想。
「FRBの金融緩和で最悪の列車事故は防げる見通しだが、(オバマ政権は)成長率がなかなかプラスにならず、デフレ圧力と高失業率が続く日本型の景気停滞に直面するリスクがある」と述べた。
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