2010年10月23日土曜日

グーグルの税率2.4%はアイルランド仕込みのダッチ・サンドイッチ

10月21日(ブルームバーグ):オンライン検索の米グーグルは、海外利益の大半をアイルランドとオランダの子会社経由でバミューダへ移転させる会計手法を利用し、過去3年間で31億ドルの税金を節減していたことが分かった。

6カ国の監督当局に提出された文書によると、グーグルが使用した利益移転は、弁護士の間で「ダブル・アイリッシュ」や「ダッチ・サンドイッチ」として知られている会計手法だ。グーグルはこれで、海外での税率を2.4%と、時価総額でみた米テクノロジー最大手5社の中で最低の税率を享受した。

米財務省に勤務していた税エコノミスト、マーティン・A・サリバン氏は、「グーグルに適用される有効税率がこれほど低いのは驚異的だ」と述べ、「グーグルは世界各地で事業を展開しているが、法人税率が平均で20%を優に超えるような高税率国が主だ」と指摘した。

米国の法人税は35%、グーグルにとって売り上げ別で2位の市場である英国でも28%と高い。

グーグルは税法違反で批判されたことはない。グーグルの広報担当、ジェーン・ペナー氏は「当社の会計手法は、世界各国で幅広い事業を展開する無数の他のグローバル企業の慣行と非常に似たものだ」と述べたが、具体的な税対策については言及を避けた。

グーグルの会計手法は、アイルランド子会社から利益を合法的にタックスヘーブンとして知られるバミューダへ移転するのだが、一度寄り道をしなくてはならない。アイルランド子会社にいったん集められた利益は、まず同国での源泉徴収を避けるためオランダに移転させる。

           オランダを間に挟む理由

  アイルランドとオランダは、いずれも欧州連合(EU)加盟国であるため、アイルランドの税法では他のEU加盟国に支払われる特定のロイヤルティーについては免税とされている。その後、グーグル・ネザーランズ・ホールディングスは受け取った額の99.8%をバミューダへと移す。オランダのグーグル子会社には従業員は一人も登録されていない。

オランダが2国の間に挟まれていることから、この手法には「ダッチ・サンドイッチ」の名が付けられた。英タックス・リサーチのディレクター、リチャード・マーフィー氏は「税金の味がしないサンドイッチだ」と述べた。

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