笹川陽平ブログ 2010年09月30日(木)
北朝鮮では金正日の三男「金ジョンウン 27歳」が大将に就任。その上、昨日、党の要職への就任も報道された。
「三代世襲へ体制固め」と、金正日の後継者をめぐる報道が熱を帯びている。
しかし、ジョンウンの写真は相変わらずスイス時代の写真しか存在しない。名前は正雲→正銀→ジョンウンと報道では変わってきており、正式な名前さえ報道されていない。
北朝鮮問題を斜めから観察している立場として、若干の推理を雑え、分析してみる。
ジミー・カーター元アメリカ大統領は、米人人質解放のためにピョンヤンを訪問した後、北京で温家宝首相と会談。温家宝は金正日から「三男・正雲の後継はない」と聞かされたと、確か、ウォール・ストリート・ジャーナルか何かに寄稿していた。後継者問題について最も信頼できる情報である。
さて、謎解きである。
金正雲は確かに金正日の三男である。しかし彼は青年の頃、ハーレーダビットソンで事故を起こし、脳挫傷で植物人間となり、その豪放な性格を愛した金正日は深い悲しみに沈んだとの情報もあった。例え元気だとしても、若干27歳で後継とはいかにも未熟である。
写真をよくご覧下さい。写真は9月28日(一昨日)、新華社が配信した中国版である。この顔は金正日より金日成に似ており、大柄でもある、年齢は27歳より37歳ぐらいに見えないだろうか。これはまさしく、昨年4月1日のエイプリルフールにアップした私のブログ「後継者は張賢(チャン・ヒョン)37歳」その人物ではなかろうか。金日成が看護師に産ませた賢(ヒョン)は、張成沢・金慶喜(敬姫:金正日の妹)夫妻に育てられた。
張賢は、今回後継者に決定した金正銀ではなかろうか。でないと金正日の三男ジョンウンでは金慶喜が軍の大将になる必然性がないのである。
昔、横浜港に着岸した「マンギョンボン号」(当時は新潟ではなく横浜)から赤坂の高級クラブ「コルドン・ブルー」に遊びに来日していた金正日は、1997年頃死亡したとも言われており、現在の金正日は影無者との説も強い。
金正日の実子は長男・正男(ジョンナンム)、次男・正哲(ジョンチョル)、三男・正雲(ジョンウン)の三人である。最有力候補の正雲は既に植物人間であり、万一元気であったとしても27歳の後継者はあまりにも若く、したがって金正日には適任の後継者はいないことになる。
金日成の子供で金正日の異母弟であれば正当性もあり、張賢(チャン・ヒョン)が金正銀として後継者になったことで、養父・張成沢が先軍政治のNo.2である国防委員会副委員長であり、軍歴のない養母・金慶喜の大将就任と、格段の昇格も説得力を持つことになる。
この新華社の写真は、4月20日毎日新聞がスクープした写真と同じで、当時、金正日の左の男は後継者ではなく訪問先の工場長との説も有力であったが、金正日の三男・正雲(ジョンウン)にしても、金正銀(張賢)にしても、新華社が報道した以上、中国政府の承認を得てのことであり信憑性が高い。
毎日新聞の写真は大スクープであったことになる。
謎だらけの国の謎の人事は、やじ馬にとってまことに興味深い。
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