9月10日(ブルームバーグ):モルガン・スタンレー・アジアのスティーブン・ローチ会長は、オバマ米大統領が選挙対策で中国人民元を標的にした法案署名を迫られる可能性に触れ、それに反応して中国が保有する米国債を売却するなど対抗措置を講じる恐れがあるとの見方を示した。
米下院歳入委員会は来週、通貨が過小評価されていると見なされる中国などに対して貿易制裁を発動する可能性を含んだ法案について公聴会を開催する。また、米上院にも同様の流れがある。米商務省のデータによると、中国の昨年の対米貿易黒字は2268億ドル(約19兆360億円)。
ローチ氏はインタビューで、11月の中間選挙で上下両院での議席を大幅に減らす可能性に直面しているオバマ大統領には、米議会から法案が送付されれば署名しか選択肢は残されていないだろうと指摘。そうなれば、中国が報復措置を取り、さらには米国債売却に踏み切ることで、米金利に著しい上昇をもたらす公算があると述べた。
ローチ氏は「超党派による法案が米議会を通過した場合、オバマ大統領が拒否権を発動することはないだろう」と語り、「下院さらに上院でも議席を失う可能性があることを考慮すると、選挙前に署名を求める法案が送付されれば、その成立を大統領は容認する公算が大きい」と指摘。「これは大きな間違いとなるだろう」と付け加えた。
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