2010年8月17日火曜日

ヘッジファンドのポールソン、景気回復見込む投資縮小-関係者

8月5日(ブルームバーグ):2012年までに景気が回復すると見込む米ヘッジファンド会社ポールソン(運用資産320億ドル)のファンドマネジャーで資産家のジョン・ポールソン氏は、自身のファンド全般に強気な投資を縮小した。事情に詳しい関係者1人が明らかにした。

関係者がポールソンの顧客向け書簡を引用して語ったところによると、世界経済の急回復予想に賭ける「リカバリー・ファンド」(運用資産30億ドル)は、景気回復に伴い値上がりする公算の大きい証券の強気な投資をネットベースで資産の140%から107%に縮小。今年下落している複数の大型ファンドでも強気な投資を減らした。情報は非公開だとして関係者は匿名で話した。

景気回復への懸念を背景に世界の株式相場は4月半ば以降7%余り下落している。4-6月(第2四半期)の米実質国内総生産(GDP)は前期比年率2.4%増と、前四半期の3.7%増から減速した。

関係者によると、ポールソン氏(54)は世界景気の回復基調は依然として損なわれていないと考えており、今後2年は経営破たんとリストラ、事業再編を経験した企業の株式で利益を上げられると期待しているという。

ポールソンの広報担当のアーメル・レスリー氏はコメントを控えている。この書簡の内容は英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)が先に報じていた。

同関係者によると、経営破たんや合併などの企業イベントに絡んで利益を狙う「アドバンテージ・ファンド」は7月の運用成績がプラス約1%。年初来ではマイナス4.8%となっているという。

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