8月3日(ブルームバーグ):世界の産金会社の買収が今年、金価格の上昇を追い風に過去最高のペースを記録しており、アドバイザーを務めるBMOキャピタル・マーケッツやHSBCバンク、メリルリンチなどの金融機関に入る手数料が増えている。
カナダの産金3位キンロス・ゴールドは2日、同業の加レッド・バック・マイニングを約71億米ドル(約6140億円)で買収することに合意した。ブルームバーグの集計データによると、これにより今年の産金業界の合併・買収(M&A)総額は320億ドルに達し、鉱業セクター全体の買収の38%を占めた。これは昨年の同業界の総額の2倍強。
メリルリンチのアジア太平洋金属・鉱業セクター向け投資銀行業務責任者のグレッグ・フォルニア氏は「今年になって動きが活発化しているように見えるのは、金価格が1オンス1200ドル前後で推移しているためだ」と述べ、「金相場が堅調で一段高となるとの見方を持つなら、ここで買収したりするのは理にかなう」と指摘した。
金価格は6月に過去最高の1266.50ドルに達し、10年連続の上昇となる勢いを見せている。10年連続高は少なくとも1920年以来で、ジョージ・ソロス氏やジョン・ポールソン氏ら著名ファンドマネジャーも金に注目している。ミダス・ファンドによると、金相場は一段高となって買収が相次ぐ可能性があり、ニュークレスト・マイニングやレゾリュート・マイニングなどが買収標的になる可能性があるという。
ブルームバーグ・データによると、モントリオール銀行傘下のBMOキャピタル・マーケッツが産金業界のM&A9件(計200億ドル相当)で助言役を務め、アドバイザー・ランキング首位。HSBCとメリルリンチがこれに続いている。
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