8月14日8時40分配信 ロイター
[ニューヨーク 13日 ロイター] 13日のニューヨーク外国為替市場ではドルが上昇。週間では、主要6通貨に対するドル指数が約2年ぶりに大幅な上昇を記録する勢いとなっている。
精彩を欠く米指標を受け、米国の景気減速が世界経済を圧迫するとの懸念が高まった。
ユーロは対ドルで3週間ぶり安値をつけた。アナリストは、イタリアの国債入札が不調に終わったことで、ユーロ圏の債務懸念が再燃したと指摘した。独連邦債とユーロ圏周辺国債の利回り格差は拡大した。
米指標では、7月の小売売上高が前月比0.4%増加し、前月から増加に転じたものの、市場予想には届かなかった。7月の消費者物価指数(CPI)はコア指数が前年比0.9%上昇し1966年1月以来の低い伸びを記録。いずれも米経済が大幅に減速していることを裏付ける結果となった。
米経済が減速すれば、中国製品への需要や、ギリシャやスペインなど債務問題を抱える国債への需要が後退するとの懸念が強まった、とアナリストは指摘する。これを背景に、安全資産としてドルが買われた。
野村証券のG10為替戦略主任ジェンズ・ノードビッグ氏は「非常に変動の激しい時期に向かっている。ドルが今後数週間上昇する可能性を排除しない」と述べた。
ドル指数は今週に入り3.1%上昇しており、2008年10月以来の大幅な伸びになる見通し。
ユーロ/ドルは0.6%下落し、3週間ぶりの安値となる1.2151ドル付近。週間ベースでは4%安と、約3カ月ぶりの大幅な下げとなった。
ドル/円は0.4%高の86.30円。週間では約1%高。今週は、一時85円を下回り、15年ぶりの安値をつけた。
ユーロ/円は0.2%安の115.05円。
ドル/スイスフランは0.2%高の1.0522スイスフラン。
米景気回復の失速を背景に7月初旬以降ドルへの売り圧力が続いたものの、ドルは今週に入り値を戻している。前出のノードビッグ氏は、たとえ米経済が減速したとしても、他国も同じ問題に直面しているとの見方から、投機的なドルのショートポジションや、ユーロ圏周辺国債券などを含む高利回り資産に投資するキャリー取引を巻き戻す動きが出たと指摘する。
同氏は来週以降は値動きの激しい展開になる可能性があると予想する。「米指標が今後予想を下回るようであれば、ドルを対円で支援する一方、ユーロや豪ドルなどを支えることになるだろう」と述べた。
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