7月6日(ブルームバーグ):米司法省は、英銀HSBCホールディングスの顧客でインドやシンガポールでの口座保有を米内国歳入庁(IRS)に開示を怠った可能性のある米国居住者に対する刑事捜査を進めている。事情に詳しい関係者3人が明らかにした。
顧客の1人は「インドに開設した金融口座で利息を得ていながらIRSに納税申告の報告をしていなかったり、米財務省に外国口座の報告を怠っていたと考えられる理由」を検察当局がつかんだとの書簡を6月後半に米司法省から受け取ったという。顧客の1人の弁護士がブルームバーグ・ニュースに書簡の内容を明らかにした。
アーンスタイン・アンド・レアの弁護士で、書簡を受け取った2人と話をしたというロバート・マッケンジー氏は「これはIRSと司法省による世界的なイニシアチブだ」と指摘。グリーンバーグ・トローリグの税金専門弁護士、バーバラ・カプラン氏は、今回の捜査は米当局がスイスや同国の銀行UBS以外にも海外での脱税に関して取り締まりを拡大していることの表れだと述べた。
アーンスタインのマッケンジー氏は書簡について、HSBCの口座保有者のデータを同行から検察当局が入手したことを意味している可能性があると述べ、「HSBC内部である程度の協力があったか、これらの顧客名を政府に提供した人がHSBC内部にいたに違いないと推測される。HSBCは圧力を受けて協力したと思う」と語った。
HSBCの広報担当者、ダイアン・バーガン氏はコメントを控えている。
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