6月9日(ブルームバーグ):欧州の債務危機への懸念拡大や英国のキャピタルゲイン(資産譲渡益)に対する税率引き上げ提案を背景に金貨の需要が高まり、供給が逼迫(ひっぱく)するとともにプレミアムが上昇していると、金取引会社ゴールドコア(ダブリン)が指摘した。
英国のソブリン金貨の金現物価格に上乗せされるプレミアムは約7%と、5月初め時点の2.5%から上昇している。より人気の高い南アフリカ共和国のクルーガーランド金貨のプレミアムは過去1カ月間に1-1.5%上昇している。ゴールドコアによると、5月の金の販売量は前年同月比でほぼ3倍に増加した。
欧州全域で導入される債務削減策が経済成長鈍化につながるとの観測から、通貨の代替としての需要が拡大し、金現物相場は8日、過去最高値の1オンス当たり1252.11ドルに達した。
ゴールドコアのエグゼクティブディレクター、マーク・オバーン氏は8日の電話インタビューで「ソブリン金貨を大量に入手するのは難しくなっている」と指摘。「危機は改善ではなく悪化しているとみられており、需要は増加している。キャピタルゲインに対する税率引き上げについては市場はまだ懐疑的で、ソブリン金貨への課税は免除されるとの見方もある」と述べた。
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