6月8日8時16分配信 フジサンケイ ビジネスアイ
世界的な金の調査会社「GFMS」(英)の最高経営責任者、ポール・ウォーカー氏が7日、都内で開かれた田中貴金属工業のセミナーで講演し、金価格が年内に1オンス=1300ドルを超え、史上最高値を更新する可能性があると指摘した。ただ、高値局面でヘッジファンドなどが売りに転じることも予想され、楽観視できないとしている。
各国の超低金利政策の長期化やギリシャの財政危機を背景に、「安全資産」の金が投資マネーの受け皿になり、ニューヨーク・マーカンタイル取引所の金先物価格は5月12日に1243ドルを付け、過去最高値を更新した。
ウォーカー氏は「通貨への信用不安に加え、今年は米国でのインフレ懸念も金への追い風になる」と強調した。その結果、2010年内の金価格は1050~1300ドルで高止まりし、年間平均価格で1170ドル前後、一時的には1300ドル超もあり得るとした。
ただ、09年の金需要は、「宝飾品用」などの『実需』が前年比19.8%減少し、「投資用」が332.9%増と急拡大した。ヘッジファンドが投機用に大量保有しているとみられ、引き続き、投機的な動きに左右される見通しだ。
ウォーカー氏は「年内は上昇トレンドが続くが、来年以降、中長期的には(ファンドの売りなどで)反落する場面もみられる」と予想している。
0 件のコメント:
コメントを投稿