5月18日(ブルームバーグ):ユーロ圏を覆う危機はまだ終わっておらず、ギリシャは氷山の一角にすぎない。米ニューヨーク大学のヌリエル・ルービニ教授がこうした見方を示した。
同教授は18日に放送された英BBCのラジオ番組「トゥデー」のインタビューで、「危機は終わってない」とし、「われわれが今ユーロ圏で直面しているのは、典型的な金融危機の第2段階だ」と語った。
欧州連合(EU)はギリシャ危機の封じ込めに向け7500億ユーロ(約8兆6300億円)規模の救済策を取りまとめたが、市場は沈静化していない。過剰債務国の政府が必要な緊縮財政を実行できるかどうかに疑問が残るためだとルービニ教授は指摘した。EUはこの日、緊急融資の初回分を、ギリシャ国債85億ユーロが償還期限を迎える19日に先立って実行したことを明らかにした。
ルービニ教授は、「ユーロ圏には経済と金融の面で大きな問題がある」ため、一部の国の支払い能力についての市場の懸念が晴れないと解説。緊縮財政に抗議するギリシャでの最近のデモは、各国政府の問題解決能力への疑問を深めたと付け加えた。
同教授は「政府に緊縮財政を実行するだけの力があるかどうかは疑問だ」と指摘し、「緊縮財政措置が実行されれば、市場は安定するだろう」と続けた。
ルービニ教授はまた、英国の保守党・自由民主党連立の新政権について、評価はこれからだと述べた。新政府は6月22日に財政赤字削減計画を示す予定。「歳入と歳出について厳しい決断が必要になったときに、連立政権が強さを保てるかどうかが判明する」と語った。
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