5月14日(ブルームバーグ):1987年の大ヒット映画「ウォール街」の続編制作に乗り気でなかったオリバー・ストーン監督をその気にさせたのは2008年の金融危機だった。プロデューサーのエドワード・R・プレスマン氏がインタビューで明らかにした。
続編「ウォール・ストリート:マネー・ネバー・スリープス(原題)」は14日、カンヌ映画祭でワールドプレミア上映される。これを前にプレスマン氏がインタビューに応じた。マイケル・ダグラスが「強欲は善」とする主人公ゴードン・ゲッコーを演じるこの続編の制作費は7000万ドル(約65億円)という。前編の予算は1600万-1700万ドルだった。ゲッコーの娘役はキャリー・マリガンが、その恋人役はシャイア・ラブーフがそれぞれ演じる。
プレスマン氏によると、ストーン監督がウォール街を再びテーマとする構想を語り始めたのは5年前。ただ「構想はいったん撤回となった。監督が撮りたくなかったんだ。オリバーはそもそも続編そのものに関心がなかった」と説明。それが「2008年が過ぎ、アラン・ローブが手掛けた新しい脚本ができると、監督の考えはまとまった。アランがそこに持ち込んだのは危機後に絡んだストーリーだった」からだという。
08年9月のリーマン・ブラザーズ・ホールディングスの破たんと金融システム安定に向けた7000億ドルに上る公的支援は、複数の映画監督を突き動かした。マイケル・ムーア監督は昨年、「キャピタリズム~マネーは踊る~」で金融危機を皮肉たっぷりに描いている。
プレスマン氏に対し、ストーン監督は今週、カンヌでの夕食の席でウォール街のさらなる続編をつくるなら、例えば1987年から2008-09年までに「何が起きたかについての映画であるべきだ」と語ったという。監督は「あくまでアイデアとして投げたもので、さほど真剣に考えているわけじゃないと思う」とプレスマン氏は述べた。
14日上映される続編は、インサイダー取引で逮捕されたゲッコーが、刑務所に持ち込んでいた金の腕時計と携帯電話だけのほぼ無一文の状態で出所するところから始まる。ゲッコーはウォール街での再スタートを切ろうと「強欲は善か?」と題する新著のプロモートツアーに出るが、その時期が08年の危機さなかという設定だ。
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