(CNN) 10日午前、ロシア西部でポーランドのレフ・カチンスキ大統領(60)夫妻ほかが搭乗した飛行機が墜落した。スモレンスク州当局は、生存者はいないとしている。
大統領を乗せた飛行機は現地時間午前10時50分ごろにロシア西部スモレンスク近郊の空港に着陸する際に墜落、炎上した。ポーランド外務省は、カチンスキ大統領を含む89人が死亡したと発表している。カチンスキ大統領の所属する与党「法と正義」の発表によると、墜落した飛行機には大統領夫妻をはじめポーランド国立銀行総裁など政府や軍の高官も乗っていた。
大統領は、第2次世界大戦中に旧ソ連により約2万人のポーランド軍将校らが虐殺されたとされる「カチンの森事件」の70周年追悼式典に参加するため、妻や同行団とともにワルシャワからスモレンスク近郊の空港に向かっていた。
現場には機体の各部が散乱しており、車輪格納部など上下逆さまになっているものもある。大統領らが乗ったツボレフ154型機は、濃い霧のなか着陸に失敗したもよう。ポーランド外務省はこの事故による死者は89人と発表したが、ロシア当局の調査委員会は132人が乗っていたとしている。
カチンスキ大統領は、2005年12月に大統領に就任した。
<ポーランド大統領墜落死>国内に大きな衝撃 首都では半旗
4月10日21時40分配信 毎日新聞
【ウィーン樋口直樹】ロシア西部スモレンスクで10日起きたポーランド政府専用機の墜落事故で、同国民は深い悲しみに包まれた。同機にはカチンスキ大統領夫妻のほか、軍参謀総長や中央銀行総裁、主要政党幹部らが搭乗。国家の要人を一挙に失ったことで、今後の政局に大きな影響を与えそうだ。
首都ワルシャワでは10日、すべてのテレビ局がトップニュースで流す現場中継に市民がくぎ付けとなり、半旗が掲げられた大統領府には、事故の犠牲者にささげる花束などを抱えた人々が大勢詰めかけた。
カチンスキ氏は49年6月生まれ。ワルシャワ大卒業後、旧共産政権下で非合法だった自主管理労組「連帯」の要職を務め、81年には戒厳令で逮捕されたこともある。05年10月の大統領選でトゥスク氏(現首相)を破り当選。右派やカトリックの熱心な信者に人気があったが、都市部のリベラル層を中心に支持率を下げていた。
トゥスク首相は10日、事故原因の徹底究明を命じる一方、緊急閣議を招集。記者会見で「第二次大戦後のポーランドの歴史で最も悲劇的な出来事だ」と述べた。大統領代行に就任したコモロフスキ下院議長は7日間の国家服喪を宣言した。カチンスキ氏の今年12月の任期満了に伴い、次期大統領選は今秋に行われる予定だったが、同氏の死去に伴い、6月下旬まで繰り上げて実施される見通しとなった。
大統領選には、トゥスク氏率いる最大与党「市民プラットフォーム」からコモロフスキ氏が立候補する。一方、07年10月の下院選で第2党となり、野に下ったカチンスキ氏の双子の兄ヤロスワフ氏率いる「法と正義」は、今回の事故で有力候補とみられていた大統領だけでなく、複数の有力幹部も同時に失った。別の野党の大統領候補者も死去しており、墜落による人材の損失や市民の同情は、大統領選の行方を左右する新たな要素になる可能性がある。
ポーランドでは近年、憲法が元首と定める大統領と、より実質的な政治権力を持つ首相の間で微妙な政治バランスが保たれてきた。特に、前回の大統領選で争ったカチンスキ氏とトゥスク氏の不仲は有名。東欧での米ミサイル防衛(MD)計画を巡り、自国への迎撃ミサイル受け入れに熱心だったカチンスキ氏と、これに慎重なトゥスク氏が対立し、対米交渉が難航したこともある。
【バサラ男の独り言】
本当に事故?ロシアが喜びそうだが、カチンの森の再現か? プーチンはチェチェンゲリラ、アル・カーイダと何ら変わらん。
0 件のコメント:
コメントを投稿