2010年4月4日日曜日

韓国ネット最大のNHNがライブドアを買収、国際的M&Aに

4月2日(ブルームバーグ):韓国インターネット関連最大手のNHNが、国内ポータルサイト大手ライブドアを買収することが明らかになった。日本のネット企業の代表格だったライブドアは創業者堀江貴文氏らによる粉飾決算事件に伴う上場廃止を経て、最終的に海外企業の下で再出発することになる。来週にも正式合意に達する見通しだ。

事情に詳しい複数の関係者によれば、米モルガン・スタンレーが筆頭株主であるLDH(旧ライブドア)は韓国で最大のポータル・検索・ネットゲーム企業のNHNに1日優先交渉権を与えた。2日に両社の取締役が金額などについて交渉する。条件次第だが買収価格は50億-100億円になるとみられる。

NHNは韓国ソンナン市に本拠を置く時価総額1兆円規模の総合ネット企業。ライブドア買収は日本のポータルサイト市場への本格参入の契機となる。今後はライブドアに積極投資し、同社が強みを持つブログや結婚マッチング、同人系サイト事業なども拡大する。シティグループ証券がLDHのフィナンシャル・アドバイザーを務めた。

NHNとライブドアは早ければ来週中にも合意の上、今後の業務展開について記者会見を開く。LDHのIRグループの村清貴マネージャーはライブドア売却などについてコメントを控えた。また、NHNのウォン・ユン・シック広報担当もコメントしていない。

日本の「オタク文化」、韓国へ

韓国で検索サービス「NAVER」で有名なNHNは2000年9月に日本拠点を設立。日本での売上高は08年度で約115億円、08年末の社員数は750人とそれぞれ3年前から倍増した。ライブドア社員は360人、12月までの9カ月間の売上高は74億円と10%成長で、現在約3000万のサイト・ユーザーと340万のブログ開設者を抱える。

韓国大宇証券のアナリスト、キム・チャン・クワン氏はNHNにとって買収は「重要な意義を持つ。日本の顧客基盤の活用でシナジーを創造しポータルの地位を固めることができるからだ」と述べた。また「コンテンツ」でもライブドアを利用することができると評価した。今回の買収で日本の「オタク文化」が韓国に流れ込む可能性がある。

旧ライブドア株式は堀江氏が06年1月に逮捕された後の4月に上場廃止となった。その後に株式を取得したモルガン・スタンレーは現在27%を保有する。昨年計850億円の配当を受けた株主は今回の売却で新たな投資収益を得る公算が出てきた。堀江氏は東京高裁の控訴棄却を受けて最高裁へ上告趣意書を提出し、現在は判決を待っている。

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