3月17日7時56分配信 産経新聞
【北京=川越一】13億人超の人口を抱える中国で干魃被害が各地に広がり、長期的な食糧供給への影響が懸念されている。被害を受けた耕地は600万ヘクタールを超え、2千万人近い住民が飲料水不足に直面している。
中国国家気候センターの観測統計によると、昨年秋から顕在化した干魃は、雲南省や貴州省、四川省など南西部から北京に隣接する河北省まで15省・自治区・直轄市に広がっている。特に雲南省の被害は深刻で、中国新聞社によると、干魃による経済損失は1億元(約13億円)近い。
全国政治協商会議(政協)委員を務める秦大河・元中国気象局局長は6日、「西南3省(雲南、貴州、四川)の平均年間降水量は180ミリと以前の約40%で、1952年以来最低値となっている。このような干魃は60年に一度あるかないかだ」と、事態の重大さを訴えた。
中国政府は、国内の穀物生産量を2020年までに5千万トン増やし、5億5千万トンとする目標を掲げている。しかし、15日に開かれた研究会では、気温の上昇や耕地の減少、水不足、異常気象などの影響で、目標達成が困難になると指摘された。
「気候変動が続けば、2030年には食糧供給不足に陥り、50年には中国国内の総食糧生産量は23%減少する」との統計もあり、被害予測と対策構築が急務となっている。
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