2010年3月14日日曜日

オバマ大統領:輸出促進へ閣僚会議設置-米国の繁栄に不可欠

3月11日(ブルームバーグ):オバマ米大統領は、今後5年間で輸出を倍増する目標は米経済の成長にとって極めて重要だと強調した上で、これを達成するために企業と労働組合の意見の相違を調整する意向を示した。

  大統領は11日、米輸出入銀行の年次総会で演説し、「数百万人の米国民が失業している時、輸出促進は短期的に欠かせないだけではなく、米国の長期的な繁栄の鍵を握る」と語った。

  大統領によれば、国務、財務、商務、農務など各省当局者で構成する輸出促進閣僚会議を創設し、米国製品の海外販売促進を政府の優先課題として取り組む。また、ボーイングのジェームズ・マクナーニー最高経営責任者(CEO)とゼロックスのウルスラ・バーンズCEOをリーダーとする民間の評議会を再開。中小企業を中心に輸出入銀行を通じた金融支援を拡充するとしている。

  大統領によると、輸出が10億ドル(約900億円)増えると6000人余りの新規雇用につながるという。米商務省が11日発表した1月の貿易収支統計では、輸出は1427億ドルと前月から5億ドル減少した。

  大統領は演説の中で、米国の通商合意は「厳格な労働および環境保護の適用などを含み、労働者と企業の双方にとって好ましいものになる」と述べ、2008年の大統領選から示してきた自らの姿勢を維持した。大統領選でオバマ氏を支持した一部の労働組合は、米国内の労働者が犠牲になるとして貿易協定に反対している。

             人民元問題

  大統領は、中国に「市場指向の為替レート」へ移行するようあらためて呼び掛けた。世界経済の不均衡是正に不可欠な要素だと指摘している。

  米国の対中貿易赤字は米議会で政治問題となっている。一部の米議員は、中国当局が輸出促進を図るため人民元の価値を低く抑えていると主張。シェロッド・ブラウン上院議員(民主、オハイオ州)は11日、ガイトナー財務長官にあてた書簡で、中国を為替操作国と認定するよう強く求めた。米財務省は来月、半期為替報告書を議会に提出する。

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