2010年3月24日水曜日

年初の円上昇は偽物、年末には98円まで下落か-海外投資加速で

3月23日(ブルームバーグ):日本の家計は2007年以来で最速のペースで海外資産への投資を拡大させている。為替ストラテジストらは円相場が年末までにドルに対し9%下落すると予想している。

  日本の家計は中国株やブラジル債を購入。満期を迎えるゆうちょ銀行の大量の預金が海外投資に向かっている。円は今年これまで、155通貨中147通貨に対して上昇してきたが、年末までには1ドル98円に下落すると、ブルームバーグ・ニュースの調査に答えたストラテジスト39人は予想(中央値)した。

  政策金利が15年にわたり1%を下回る低金利環境に加え、景気低迷とデフレ、高い投資収益を必要とする退職世代の増加という組み合わせが、資本逃避を引き起こしている。ゆうちょ銀行の定額貯金(期間3年以上)の金利は0.11%。ブラジルの銀行、イタウ・ウニバンコのマネー・マーケット・アカウントの年利回りは6%だ。

  日本の主婦はドルについて、日本の為替トレーディング会社最大手、外為どっとコムの調査部門が主婦対象の月次調査を初めた昨年6月以来で最も強気だ。昨年の為替予想が最も正確だったナショナル・オーストラリア銀行は円が3月19日の水準から10%下落し1ドル=100円になると予想する。3カ月物の円買いオプションの売りオプションに対するプレミアムは19日に0.72ポイントに縮小し、上昇予想が07年以来で最も後退したことを示している。

  投資信託協会によると、日本の投資信託の外貨建て資産保有高は今年1月と2月にそれぞれ前年同月比で31%、25%増え、2007年1、2月以来の高水準だった。

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