2010年 3月 10日 12:18 JST
9日の砂糖先物相場は、トレーダーが新収穫分の供給に備えるなか、2月につけた29年ぶりの高値から引き続き下落した。
ICEフューチャーズUSの砂糖先物5月物は前日比1.25セント(6%)安のポンド当たり20.32セントで引けた。2009年8月6日以来の安値だ。
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Bloomberg News
鉄道輸送されるサトウキビ(オーストラリア・クイーンズランド州、09年8月)
砂糖先物は2月1日、1981年1月以来の高値を記録し、5月物は29セントをつけた。これは09~10収穫年度のブラジルとインドの生産が減少するとの予想によるものだった。ブラジルは世界最大の砂糖生産・輸出国で、インドは第2の生産国であり、最大の消費国。
しかし、先物はこの時以来28%下げている。これはブラジルの10~11年度生産分が今後数週間で到着するとみられることと、製菓業者や清涼飲料メーカーなどの需要家が高値を嫌っていることを反映したものだ。
ニューエッジUSAのマイケル・マクドゥーガル副社長は、最終需要家が買いに消極的なため「相場は30セント近辺から反落し、思惑取引も後退している」と述べた。
ブラジルのサトウキビ収穫は少しずつ進んでおり、3月半ばから下旬にはペースが速まり、市場への供給が始まるとみられる。
マクドガル氏は「収穫に遅れが出ない限り、相場が25セントを超えるのは難しいだろう」と述べた。
供給が昨シーズンほどひっ迫しないことをうかがわせる兆しが出ている。国際砂糖機関は2月、世界砂糖生産は今09~10年度に需要を940万トン下回るが、10~11年度には100万トンの供給過剰に戻るとの予想を明らかにした。
シカゴのビジョン・フィナンシャルのアナリスト、ボイド・クルエル氏によれば、一定の水準での売りがセットされていたことも先物相場の下落を加速させたという。同氏は、20.40~20.50セントのレンジを下回って引けたことから、5月物は18.85~19.00セントまで下げないと下支えが出てこないのではないかとみている。ただ、このように大幅な下落のあとは、相場がもっと急落すると予想して作ったポジションをトレーダーが買い戻せば、相場は23セントに向かう可能性もあるという。
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