2010年2月24日水曜日

サブプライム、ギリシャ、中国-鼻が利くヘッジファンドのネタ尽きず

2月23日(ブルームバーグ):米サブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローンのデフォルト(債務不履行)増加に賭けて投資家のお金を6倍に増やしたヘッジファンド、コリエンテ・アドバイザーズは、欧州の国債リスク上昇に賭けたファンドの1つをたたみ、資金を払い戻す。2人の投資家が明らかにした。

  欧州で最も財政基盤の弱い国が債務管理に苦戦することを予想し2007年に設定された「欧州ダイバージェンス・マスター・ファンド」は来月、3億2000万ドル(約290億円)を償還する。投資家らが匿名を条件に明らかにした。

  同ファンドの見込み通り、一部政府が財政赤字を埋める借り入れに苦しむとの観測の高まりで、ギリシャとポルトガル、スペイン国債を保証するコストは過去最高となった。

  同ファンドの1月の成績はプラス15%。09年はマイナス19%となったものの、08年にはプラス92%の高リターンを上げた。

  投資家らによれば、コリエンテは欧州の債務危機はまだ続くとみており、欧州ダイバージェンス・マスター・ファンドから償還された資金を同様の戦略の「欧州ダイバージェンス・マスター・ファンドII」に再投資することを勧めている。

  コリエンテは19日付の投資家あて書簡で、「償還はするが、欧州各国の格差拡大というテーマは引き続き、リスクに比べ高いリターンが期待できるものだと考えている」とし、「欧州のソブリン債務問題は広く及んでおり、1国だけの問題ではない」と指摘した。

  コリエンテはさらに、同社の「チャイナ・オポチュニティー・ファンド」への投資も促している。このファンドは09年に設定されたもので、中国経済の減速や人民元の下落などに賭ける投資戦略だという。

  欧州の格差拡大に賭けるファンドを設定する前に解散した米サブプライム関連のファンドは、1億600万ドルの元本に対して5億7000万ドルを投資家にもたらした。ブルームバーグ・ニュースが入手した投資家あて書簡から分かった。

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