1月14日(ブルームバーグ):英マン・グループや米ジョン・W・ヘンリーなどコンピューターを利用して先物相場の動向を予想するヘッジファンド運用各社の運用成績が、2009年に過去20年以上で最大の落ち込みを示した。株式や商品、債券相場の変化をとらえられなかったためだ。
調査会社バークレイヘッジが集計した上位50本のファンドの運用成績に基づく指数によると、マネージド・フューチャーズ・ファンドのリターン(投資収益率)は09年に平均4.7%低下し15年ぶりのマイナスとなり、バークレイヘッジが集計を開始した1987年以降で最大の落ち込みを示した。08年は13.5%の上昇だった。
エディントン・キャピタル・マネジメント(ロンドン)の最高投資責任者(CIO)、アレックス・アレン氏によると、これらのファンド運用会社は市場の急激な変化のなかでつまずくことが多い。1930年以降で最大となった昨年の世界的な株価上昇に乗り遅れ、多くは国債と貴金属の相場下落やドル相場の上昇に不意を突かれた。ヘッジファンド全体の運用資産1兆4000億ドル(約128兆円)のうちマネージド・フューチャーズ・ファンドの運用額は約2130億ドルと推計される。
アレン氏は「12月はひどかった。運用会社はどこも打ちのめされた」と語る。ジョン・W・ヘンリーのウェブサイトによると、同社が運用する資産規模1億700万ドルのファンド「JWHグローバルアナリティクス」の昨年12月の運用成績はマイナス11%と、1年半ぶりの低水準となった。同社の創設者、ジョン・W・ヘンリー氏は米大リーグ球団、ボストン・レッドソックスのオーナーでもある。社長兼最高経営責任者(CEO)のケネス・ウェブスター氏にコメントを求める電話をかけたが応答はなかった。
ニューエッジ・グループ(パリ)の指数によると、商品取引顧問業者(CTA)としても知られるマネージド・フューチャーズ・ファンドの12月の運用成績はマイナス3.2%と、07年8月以降で最大の落ち込みを示した。バークレイヘッジによると、CTAへの投資資金は11月に43億ドル増加し、6カ月連続の純増となった。
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