9月24日(ブルームバーグ):オーストラリア準備銀行(RBA、中央銀行)は24日公表した金融安定報告で、同国の金融機関について、住宅購入者向け融資からの利益拡大が不良債権増加の影響を緩和しており、世界的なリセッション(景気後退)を引き続きうまく切り抜けているとの認識を明らかにした。
RBAは半年ごとに発表している金融安定報告の中で、「豪州の金融システムは回復力を維持している」と指摘。「金融機関はごくわずかな採算悪化に見舞われている」にすぎず、さらなる世界的動揺を乗り切る上で、他国・地域の金融機関よりも良い状態にあると付け加えた。
報告書によれば、ウエストパック銀行やコモンウェルス銀行など国内4大銀行は1-6月期に純金利収入が22%増加したのに伴い、全体で86億豪ドルの税引き後利益を計上。RBAが政策金利を49年ぶり低水準に引き下げ、住宅購入者の融資需要が拡大したことも利益の伸びに寄与した。
RBAは「他の多くの国・地域の金融機関と比較して、豪州の金融システムは金融危機の時期を通じて堅調な利益を上げている」と指摘した。
マッコーリー・グループのシニアエコノミスト、ブライアン・レディカン氏(シドニー在勤)は「この半年間は明らかに政策担当者らの予想よりもはるかに力強い改善を示しており、それは銀行だけでなく、より広範な金融市場にも当てはまる」と説明した。
豪ドルはシドニー時間午後零時15分(日本時間午前11時15分)現在、1豪ドル=0.8705米ドル。報告書の公表前は0.8710米ドルだった。
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