9月15日(ブルームバーグ):モルガン・スタンレー・アジア会長でエコノミストのスティーブン・ローチ氏は15日、米経済の回復は「活力がなく」、勢いを欠いているため、逆戻りしやすくなるだろうと述べた。
ローチ氏は15日のブルームバーグテレビジョンとのインタビ ビューで、「米経済の成長スピードは失速したと言われるペースに極めて近 い」と指摘。「予想外の事態が起きた場合の緩衝材が欠如している。こうした衝撃の際に、緩衝材がなければ傷つきやく、逆戻りしかねない。景気が逆行した後に回復しても、活力に乏しいだろう。今はV字型の景気回復に向かう環境ではない」との認識を示した。
米国では2007年12月に始まった今回のリセッション(景気後退)のあおりで約690万人の雇用が失われた。ブルームバーグ調査によれば、7-9月(第3四半期)の米経済成長率は年率換算でプラス2.9%と、4-6月(第2四半期)のマイナス1%から好転する見込み。
ローチ氏はまた、オバマ米大統領が今月11日、中国からの輸入タイヤに関税を適用する決定を下したことについて、米経済にさらなる問題を招く恐れがあると指摘。オバマ大統領が前日のインタビューで過剰なリスクテークや高額ボーナスなどでウォール街文化の改革の必要性を訴えたことについてもローチ氏は異論を唱えた。
同氏は、「大統領には失礼ながら、わたしが30年働いて知ったウォール街の文化を本当に表現したものとは言えないと思う。この10年で明らかになったウォール街の問題があるのは確かであり、われわれもその責任を受け入れるべきであるが、米政府も同様に金融システムの監督を怠ったという面で大きく関係した」と述べた。
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