2009年9月29日火曜日

著名ストラテジストのウィーン氏、S&P500種急反発で評判も回復

9月29日(ブルームバーグ):1930年代以降で最も急激なS&P500種株価指数の反発がバイロン・ウィーン氏のストラテジストとしての評判回復につながっている。

米投資会社ブラックストーン・グループに先月迎えられたウィーン氏は、S&P500種の今年の上昇率見通しについて、今年1月に示した33%高の予想を維持すると述べた。これは28日終値を13%上回る水準。約半年前の時点では、ウィーン氏が示した年末予想の1200に到達するのには77%の値上がりが必要だった。

ヘッジファンドのピーコット・キャピタル・マネジメントのチーフ市場ストラテジストからブラックストーン・アドバイザリー・サービシズの副会長に転身したウィーン氏(76)は「3月には相場の地合いがあまり良くなかったため、人々はわたしの予想を受け入れようとしなかった」と述べ、「だが、年末まで残り3カ月となった現状では、見通しが実現する可能性が出てきているようだ。けん引役は企業収益と経済活動だ」と指摘した。

ウィーン氏の年末予想はブルームバーグが調査したストラテジストの予想平均の1037を上回るとともに、調査に参加したストラテジストで最も強気な予想だったJPモルガン・チェースのトーマス・リー氏の1100も超えている。

同氏は今年のS&P500種の上昇率が95年以来最高となり、10-12月(第4四半期)は過去10年で最大の値上がりになると予想。景気回復とアナリスト予想を上回る企業収益が今後3カ月の株式相場上昇に拍車を掛けるとみている。

企業収益と景気

企業収益に関してもウィーン氏はブルームバーグが調査対象とするウォール街のストラテジストよりも楽観的だ。同氏によると、S&P500種構成企業の今年の1株利益は計60ドル、10年は75ドルをそれぞれ超える見通し。ストラテジストの平均は09年が56.33ドル、10年は69.44ドル。

ウィーン氏は「株式相場の先行きは、これまでの収益の勢いが維持されるかどうかが鍵だ」と述べ、「景気は一段と強くなり、企業収益は7-9月(第3四半期)と第4四半期にいずれも予想を上回るだろう」と語った。

ブルームバーグ・データによると、S&P500種の株価収益率(PER)は今月22日現在の実績ベースで20.2倍と、04年以来の高水準。これについてウィーン氏は「ある程度は買われ過ぎだが、まだ上値はあると思う」とし、「投資家は3月時点で極めて悲観的だったと言うなら、現在はかなり楽観論が高まっているが極端なレベルではないと言えよう。年末前に10%の調整は起こらないだろう」と予想した。

M&A(企業の合併・買収)については「今後数カ月は堅調だと思う」と述べ、「投資家も企業も自信を持っている。魅力ある企業が魅力ある価格で評価されている。彼らはこうした企業の買収に意欲的だ」と指摘した。

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