4月7日(ブルームバーグ):有力投資家のマーク・ファーバー氏(63)は7日、過去4週間にわたって上昇した世界の株式相場が最大10%「調整」する可能性があると述べ、反発は7月以降になるとの見方を示した。
ファーバー氏はブルームバーグテレビジョンのインタビューで、S&P500種株価指数は750前後に下落する可能性があると指摘。これは6日終値から10%の下落を示す。ただ、米国と世界の株式相場が昨年10、11月に付けた安値を下回る可能性は低いとの見方も示した。
同氏は「3月6日以降の反発を受け、ある程度の調整が必要になっている。5-10%程度の調整だろう。その後は7月にかけて相場はさらに反発するかもしれない」と述べた。また、「経済ニュースは良くならない見込みだが、悪化のペースは鈍化するだろう」とも予想した。
ファーバー氏は3月9日、米政府の対応が株価を押し上げるとして投資家に米国株買いを勧めていた。住宅販売や耐久財受注の増加から米経済の底入れが示唆され、その後S&P500種は12年ぶりの安値から先週までに25%反発。1938年以来最も急激な反騰を演じた。ただ、失業率や消費者信用残、銀行の追加評価損計上の必要性をめぐる懸念を背景に、相場上昇は一服する可能性もある。
ファーバー氏はブラックマンデーと称される87年の株価暴落の1週間前に米国株の売りを投資家に勧めていた。同氏は2007年8月には米国株が弱気相場入りすると予想。S&P500種は同年10月に 1565.15でピークを打った後、最大57%下落していた。
資源株、銀行株
ファーバー氏は、昨年11月に購入した一部の資源株について、2倍強に値上がりしたためあまり有望ではなくなったと述べた。また、一部の銀行株に投資したことも明らかにし、シティグループ株は「簡単に反発し」、現在の2.72ドルから5ドル前後に上昇するだろうと予想。「金融株反発の可能性はかなり高い」と述べた。
アジアに関しては、米国株よりも「はるかに大きな投資妙味」があると話し、投資家はアジア株が反落するたびに買いのチャンスをつかむべきだとし、日本株も「興味深い」と述べた。さらに「今後3カ月以内にアジア株を買えば、向こう5-10年で利益が出ることは確実だろう」と語った。
一方で債券相場については「長期弱気相場」入りしており、今後 15-20年間続く可能性もあると語った。
同氏は為替相場に関連して、米ドルが「幾分弱含む可能性があるため」カナダやオーストラリア、シンガポールの通貨建てに資産を分散すべきだと指摘した。ブルームバーグのデータによると、米ドルは主要10カ国(G10)の通貨で円を除いたすべてに対して過去1年間に上昇している。
ファーバー氏は金への投資が今後3-6か月は「死に金になろうとも」投資すべきだと述べ、価格が1トロイオンス=750-800ドルのレンジに下落した場合は買い増す考えを示した。
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