2月3日(ブルームバーグ):資産家でヘッジファンドマネジャーのジョン・ポールソン氏が運用する主要ヘッジファンドの1本「アドバンテージ・プラス・ファンド」の運用成績が1月にプラス5%となったほか、全てのファンドで戦略が成果を挙げた。リターン(投資収益率)について説明を受けた関係者の1人が明らかにした。同氏の2011年の運用成績はこれまでで最悪だった。
ポールソン氏は、自身が運営する資産規模約240億ドル(約1兆8400億円)のヘッジファンド運営会社ポールソン(ニューヨーク)にとって昨年は「常軌を逸した年」だったと述べている。昨年は米シティグループやバンク・オブ・アメリカ(BOA)、中国の造林会社サイノフォレストなどに投資。サイノフォレストについては、投資家のカーソン・ブロック氏が、中国で保有する森林資産の規模を水増ししている可能性があると指摘した。アドバンテージ・プラス・ファンドの昨年の運用成績はマイナス51%だった。
買収や経営破綻などの企業イベントから収益機会を狙い、リターン拡大にレバレッジを活用する同ファンドの金建てのゴールド・シェア・クラスの1月の運用成績はプラス7.4%だった。ポールソンが運用する大半のファンドへの投資については、ドル建てか金建てかを選択することができる。
関係者が匿名を条件に明らかにしたところによると、ポールソンの「ゴールド・ファンド」の1月の運用成績はプラス13%。同ファンドはデリバティブ(金融派生商品)などへの金関連投資を行う。ポールソンの金関連投資は昨年、年末までの4カ月間に金相場が14%下落するまでは好調だった。
ポールソンの広報担当、アーメル・レスリー氏はリターンに関するコメントを控えた。リターンの一部については3日、経済ニュースを提供するビジネス・インサイダーのウェブサイト、クラスターストックで報じられた。
米国やカナダなど先進国の低金利政策で世界の経済成長が促されるとの観測が投資家の間で高まる中、金相場は先月11%上げ、1月としては1983年以降で最大の上昇率を示した。
0 件のコメント:
コメントを投稿