2011年9月13日火曜日

「パーフェクトストーム」は持続、金に肯定的見方維持-モルガンS

9月13日(ブルームバーグ):米モルガン・スタンレーによると、金を資金の避難先とみる投資家の需要が再燃しているため、金相場に好都合な「パーフェクトストーム(破滅的な状況)」は持続する見通しで、金価格は1980年に付けたインフレ調整後の最高値に達する可能性がある。

  同社はリポートで、金融のシステミックリスクや景気の二番底、持続的な低金利といったマクロ経済上の難問が入り混じった「恐怖のカクテル」に備えたポートフォリオの保険として、金の役割に肯定的な見方を維持していることを明らかにした。

  リポートは現在の金相場の見通しについて、同社が「強気のケース」として今年の目安とした1オンス=1625ドルや2012年の1819ドルの方向となっていると説明。同社の計算によると、金は来年1819ドルから2085ドルの間で取引される確率が現在85%あるという。

  アナリストらは「経済成長の下振れリスクの源はソブリン債リスク対応に関係した政策ミスであり、その結果として先進国の実質マイナス金利が長期間にわたる公算が大きいことから、金に予想されるリスクは断然上向きに偏っている」と分析した。

  同社の基本シナリオでは、今年の金価格の平均は1511ドル、12年は1624ドル。金現物価格は今月6日に過去最高値1921.15ドルを付けた。今年の平均は1523ドル。シンガポール時間午後零時時19分(日本時間同1時19分)時点で1832.57ドル。

  金現物価格は1980年1月に850ドルのピークを付けたが、これをインフレで調整すると現在の2330.51ドルに相当し、インフレ調整後ベースでは過去最高値をまだ下回る水準にある。

0 件のコメント: