4月4日(ブルームバーグ):米国の金・銀ディーラー大手、アメリカン・プレシャスメタルズ・エクスチェンジ(APME)は、今年の売上高が倍増する可能性があるとの見方を示した。金融不安やインフレ、日本の原発危機を受け個人投資家がヘッジ手段を求めていることが背景にある。
APMEのマイケル・ヘインズ最高経営責任者(CEO)は4日、ニューヨークからの電話インタビューで、1オンス金貨や10オンスの銀地金などの商品の売上高は「このままのペースなら」年間最大1500万点に達するとの見通しを示した。昨年の出荷量は750万点。
ヘインズ氏は「世界中でかなり広範囲にわたって大きな不透明感が広がっており、それでも今後何が起きるか考慮しきれていない」と指摘。「金に投資しようとする人がどんどん増えている。なぜなら、金は安全性が高いとされる投資先であり、インフレヘッジや保有資産の購買力を維持する手段になるからだ」との見方を示す。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のCOMEX部門の金相場は過去1年間に27%上昇し3月24日に過去最高値の1オンス当たり1448.60ドルに達した。2000年以降、金相場が5倍以上に高騰する一方、S&P500種株価指数は約1%の上昇率にとどまっている。
COMEX部門の金先物6月限の4日終値は前週末比4.10ドル(0.3%)高の1オンス当たり1433ドル。銀先物相場5月限は76.2セント(2%)高の同38.494ドル。一時は38.62ドルと、中心限月としては1980年2月以来の高値に達した。過去1年間で2倍以上に上昇している。
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