2月22日(ブルームバーグ):住友商事の高井裕之・金融事業本部長は金相場について、ドル相場が堅調でも上昇を続ける可能性があるとの見方を示した。投資家が、下落しているユーロに対する代替投資先を求めていることを理由として挙げた。
多額の債務を抱える欧州地域の景気回復が遅れるとの見方や欧州中央銀行(ECB)が金利を過去最低水準に据え置くとの観測が広がるなか、ユーロ建て金価格は22日、最高値の826ユーロに達した。
高井氏は同日、ブルームバーグテレビジョンとのインタビューで「金市場の需要は依然、非常に旺盛だ」と指摘。「市場関係者はポートフォリオを複数の通貨から金へ移行させている。従って、通貨の観点から見て現時点で金は世界の多くの投資家に選好されている」との見方を示した。
金は通常、ドルと逆の値動きを示すが、今年はドルがユーロや円など主要6通貨に対して3.3%上昇するなか2.7%上げている。
高井氏によると、金相場は5日に3カ月ぶりの安値である1オンス当たり1044.85ドルまで下げたが、市場の「3つのショック」を「切り抜けた」。3つのショックとは、ギリシャの記録的な財政赤字、オバマ米大統領による米銀の自己勘定トレーディングを制限する提案、中国による市場の流動性抑制の動きだ。
高井氏は「過去2-3年間の金投資の主因は長期的なドル相場軟化のトレンドだった。ただ、このトレンドは変化し金市場では常に需要がある。これは、通貨の観点が要因になっていると思う」と述べた。
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