2010年1月9日土曜日

ベネズエラが通貨切り下げ 対米ドル実質2分の1に

【サンパウロ=檀上誠】ベネズエラのチャベス大統領は8日、同国通貨のボリバルフエルテ(BF)の対米ドル交換レートを切り下げると発表した。現在1ドル=2.15BFとしている固定相場を11日から、原則として同4.3BFに改める。ただ、食料品や政府資材などの輸入には同2.6BFを適用する二重レートを導入する。自動車や家電など消費財を輸出する日本企業にも影響が出そうだ。

 通貨切り下げは2005年以来。今回の切り下げでも、同5~6BF程度とされる闇市場とはなお隔たりがある。

 チャベス大統領はトヨタ自動車をはじめ、同国に進出している自動車メーカーに国内への技術移転を求める一方、携帯電話端末を国産化するなど工業振興を探っている。「自動車や家電、通信機材の輸入には4.3BFを適用する」(チャベス大統領)という二重レートは産業移転を促す狙いとみられる。国内生産が足りず輸入に頼っている食料品や医療機器などは割高なレートとし、政府支出増や物価上昇を最小限に抑える構えだ。(22:47)

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