1月28日(ブルームバーグ):米小売り大手ウォルマート・ストアーズやターゲットの米東海岸にある倉庫に輸送される中国製の玩具やスニーカーは、 資産家ウォーレン・バフェット氏が保有する鉄道を迂回(うかい)する可能性がある。パナマ運河の拡張に伴い海上輸送コストが低下するためだ。
運河の拡張により、デンマークのAPモラー・マークスや中国遠洋運輸集団(コスコ・ホールディングス)などの海運各社は、米西海岸で貨物を降ろし鉄道やトラックで輸送する代わりに、東海岸のニューヨークやボストンに直接海上輸送する量を増やせる見通しだ。運河の運営企業は、このため輸出業者はコストを30%削減できると推計している。
パナマ運河の52億5000万ドル(約4700億円)規模の拡張事業は、同運河が開通100周年を迎える2014年に完了予定。ロサンゼルスやシアトルの港湾や、バフェット氏率いる米保険・投資会社バークシャー・ハサウェイ傘下のバーリントン・ノーザン・サンタフェなどの鉄道会社の輸送分がこの運河を経由するようになる可能性がある。
未来アセット証券(ソウル)の海運アナリスト、リ・ソクジェ氏は鉄道を利用した場合、運搬コストは海上輸送よりも貨物用コンテナ1個当たり最大1000ドル割高になる。
NHインベストメント・アンド・セキュリティーズ(ソウル)の海運アナリスト、ジ・ホンソク氏は「パナマ運河が拡張されれば、バーリントン・ノーザンなどの鉄道会社が貨物の一部を失うのは避けられないだろう」と指摘。「西海岸の港湾を経由するよりは1隻の船舶でさらに多くのコンテナを輸送することができる」との見方を示した。
マッコーリー証券と英銀ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループ(RBS)は、世界景気が回復するなか、中国の輸出は1-3月(第1四半期)に20%増加すると予想している。
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