DJ-アングロ・アメリカン、アングロゴールドの残りの保有株を売却
3月18日17時33分配信 ダウ・ジョーンズ
ロンドン(ダウ・ジョーンズ)英鉱業大手アングロ・アメリカン(Nasdaq:AAUK)は17日、アングロゴールド・アシャンティ(NYSE:AU)の残りの保有株式を米ヘッジファンドのポールソンに12億8000万ドルで売却したと発表した。
アングロ・アメリカンは長期にわたる方針として、南アフリカに本拠を置く金鉱会社アングロゴールドの株式を売却することを掲げていた。しかし事情に詳しい関係者によると、今回のまとまった規模の売却は、アドバイザーであるドイツ銀行がアングロ・アメリカンとポールソンを引き合わせた後に実施された「機に便乗した」ものだったという。
2月19日時点で、アングロ・アメリカンは米証券取引委員会(SEC)に提出した書類で、「中期的にアングロゴールドの主要株主であり続けるつもりだ」としていた。
アングロゴールドの株価にとって、アングロ・アメリカンによる売却の可能性をめぐる不透明感が重しとなっていた。
アングロゴールドのマーク・カティファニ最高経営責任者(CEO)は、「アングロ・アメリカンの株式保有は当社の株価を押し下げる影響をもたらしていたが、今やそれもなくなり、この先の好機に期待している」と述べた。
カティファニCEOは、ジョン・ポールソン社長率いるヘッジファンドのポールソンが大株主の1社となるのを歓迎した。同ファンドはアングロ・アメリカンから発行済み株式の11.3%に相当するおよそ3991万株を買い取った。
ポールソンの広報担当者、アーメル・レスリー氏は「世界の主要金鉱会社の中でアングロゴールドは最もよく経営され、最も過小評価されている企業の1つだとわれわれは考えている。同社の世界的な拡大戦略の実施を期待している」と述べた。
アングロ・アメリカンは、売却で得た資金を一般的な企業目的に使うとした。2008年末時点のアングロ・アメリカンの純負債は約110億ドルで、これが同社株価の重しとなっていた。
アングロ・アメリカンによると、今回の売却で同社はアングロゴールド株をすべて手放した。ポールソンは1株当たり32ドルを支払った。
アングロ・アメリカンは、2006年に過半数保有をやめると発表して以降、アングロゴールドの保有株を数回にわたって減らしてきた。同社がSECに提出した書類によると、2006年4月時点での持ち株比率は42%だったが、2007年9月時点では17.3%に低下。2月5日には13.3%、2月18日には11.88%まで低下した。
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