2008年12月29日月曜日

「金相場の主張で矛盾」、ロジャーズ氏を中国紙が批判

2008年11月 7日(金) 16時34分

 ジム・ロジャーズ氏が先日、国際通貨基金(IMF)が大量の金を市場に放出することで金価格が600ドル程度まで下がる可能性を指摘したことと関連して、以前、金価格は断続的に上昇して、3500ドルレベルも考えられるとしたことと矛盾するとして、「この矛盾は同氏の不純な動機から出たもの」との批判が中国の一部で出ているという。南方都市報などが伝えた。

 6日のNY金先物12月限(COMEX)の終値は723.20ドル/1オンス。金融危機の救済策として国際通貨基金(IMF)が数百億ドル規模の資金を必要としており、その資金を調達するため、まもなくIMFが保有する金を売却することになる、そのため金価格は一段安となる、というのが、先日メディアなどで報じられたロジャーズ氏の最近の発言骨子。

 ただ、ロジャーズ氏は以前から金価格の上昇を明言していた。今回、中国のメディアはこれを「矛盾」ととらえ、「投資家を混乱させ、安値での市場介入を図ろうとする不純な動機から発した言動」などと報じた。

 しかし、「ロジャーズ氏が金価格について楽観論を展開しているのは周知の事実。600ドルまで下がる云々はおそらく短期的な見通しを示したに過ぎず、3500ドルが現実的かどうかはともかく、長期的には上昇相場にあるとの同氏の考えにぶれはない」(業界関係者)との指摘もある。「中国の投資家は投機的性質が濃厚で、ロジャーズ氏の相場観を曲解しがちな傾向がある」(同上)とも。

 これらと関連して、ロジャーズ氏自身も中国のメディアに対して、「(自身の発言が多くの誤解を生んでいるようなので)今後中国では、公の場で発言しない」と明言するなど、中国のポテンシャルを高く評価するロジャーズ氏も、中国の投資家やメディアへの対応に戸惑っているといわれる。

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