7月中旬以降のWTI原油をはじめとする商品市況の急落にあって、7月15日に今年3月以来の戻り高値となる989ドルを記録し、その後も900ドル台を維持していたXAUマーケットでしたが、8月に入り下げ足を速めました。2001年5月を起点とするドル建て金価格のトレンドは、ここまで常に下値切り上げ型であり、200日移動平均線が下値として機能していました。
ところが8月20日時点で、この線は892ドルに位置しており、(スポット価格ベースの)時価817ドルはこの水準を大きく下回りました。
さらに、1980年1月にロンドン市場で記録されて以来、28年間破ることのできなかった過去最高値850ドルが今年初めに28年ぶりに突破されて以降、逆にサポートラインとなっていましたが、今回いとも簡単に売り崩される展開となり、夏季休暇中で市場参加者が少ない時期だったため、まとまったストップロスが相次ぎ800ドルも割れました。
一年前のお盆直後には650ドルまで急落しましたが、サブプライム悪化の中でFRBが追加利下げを繰り返す度に金価格は50ドル、100ドルと水準を切り上げ、半年で650ドルから1000ドルへ急騰したのでした。今回はその逆でFRBのスタンスが利上げに傾けば売り圧力は強まる。この一か月で1000ドル近くから800ドルを割り込んだことは、そのシナリオを先取りしてファンドが売りに走った結果と言え、利上げを織り込んだ金の下げと言えます。
市場では、9月末の解約をにらんだヘッジファンドのポジション解消が一般的な期限である45日前にあたる8月15日前後までに駆け込み的に行われたことによるもので、下げは15日でひと山越えるのではないかという声もありますが、850ドル再チャレンジが未だ達成できず(2008/08/29 日中取引レンジは832.00-849.20ドル 837.20ドルで終了)この状況が続くとすれば650ドルを下値目標とした動きも出てくるのではないでしょうか。陰謀論嫌いのWGCの人は800ドル割れは売られ過ぎと言ってますが、市場参加者の少ない時期を狙って売り崩した人たちはこの程度で満足しているのでしょうか。
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