2011年6月26日日曜日

J・K・ローリング氏、電子書籍版「ハリポタ」直販へ―オンラインサイト立ち上げ

【ロンドン】世界的ベストセラー小説「ハリー・ポッター」シリーズの生みの親、J・K・ローリング氏は長年、同シリーズの電子書籍版の発売を拒否してきた。だが、今年ついにオンラインサイトを立ち上げ、電子版を読者に直販すると発表した。同サイトはソーシャル・ネットワーク・サイトの機能も備えており、ハ リー・ポッターの魔法の世界を一層楽しむことができそうだ。

 このサイトは「ポッターモア」と名付けられ、アクセスは無料。7月31日に開設されるが、当初の登録者は100万人に限定される。さらに、10月には誰でも利用できるようになり、電子書籍店舗も同時に営業を始める。同店舗では数カ国語版のシリーズ全巻が購入でき、市販されているすべて電子書籍端末にも対応しているという。

 ローリング氏は今回、米アマゾン・ドット・コムやアップルの「iBookstore(アイブックストア)」などのオンライン小売店を通じてではなく、読者に対して電子書籍版を直販するという大胆な販売方針を採用した。他の作家は、出版元が印刷版と電子版の両方の出版権を所有することが多いが、同氏は「ハリー・ポッター」シリーズの電子書籍の出版権を自ら所有している。同シリーズを出版する英国のブルームズベリー出版社と、米国での出版権を持つスカラスティック社はいずれも、電子書籍版の出版権を保有していない。

 ブルームズベリーは23日付の声明で、「ポッターモア」サイトで販売される電子書籍版の売り上げの一部を受け取ることになっていると発表した。

 「ポッターモア」はハリポタの世界を満喫できるようになっている。ユーザーは「ホグワーツ魔法魔術学校」に入学したり、シリーズ第1作目の舞台を旅することができる。またポイントを獲得したり、ゲームを楽しむこともできる。そして、最も注目を浴びそうなのは、ローリング氏がこれまで執筆した未発表部分や、執筆ノートから掘り起こした材料であろう。これでパリポタの熱狂的なファンは、主要登場人物や舞台、プロットに関する背景や解釈を知ることができる。

 ローリング氏は23日、ロンドンで行われた記者会見で、「ハリー・ポッターの世界について長年蓄積してきた追加の情報をファンと共有するつもりだ」と述べるとともに、「この本を書き始めた1990年には存在しなかったメディアを使って、創作活動を続けることができる」とサイト立ち上げの抱負を語った。

 全7巻からなる「ハリー・ポッター」シリーズの第1巻を1997年に出版して以来、ローリング氏はハリポタを巨大なビジネスに育て上げてきた。2007年に出版された最終巻を含め、シリーズの販売部数は世界で4500万部を超え、一方、タイム・ワーナー傘下のワーナー・ブラザースによって、8部作の映画が制作された(最終作は間もなく公開予定)。さらに米フロリダ州オーランドのテーマパーク、ユニバーサル・オーランドには、「ウィザーディング・ワールド・オブ・ハリー・ポッター」というアトラクションが設けられている。「フォーブス」誌の推定によると、ローリング氏の2010年の純資産は10億ドル(約800億円)だという。

 「ポッターモア」は、完結したシリーズのビジネスを今後も維持していくための新たな試みだ。

 このサイトの立ち上げのために2年間作業が進められてきた。ユーザー登録には電子メールアドレスの提供が必要となる。つまり、理論的にはローリング氏は100万人以上のパリポタ・ファンに直接コンタクトできる。

 ソニーは主要パートナーとして、同サイトの制作に携わってきた。ソニーの広報担当者によると、同サイト上のオンライン店舗が10月にオープンすると、ソニーはポッターモア・ブランド製品をシリーズの電子書籍版とともに売り出す計画。製品には、ソニー製のポッターモア・ブランドの電子書籍端末だけでなく、ハリポタ関連の電子製品やソフトも含まれる可能性がある。

FT紙、アップルの課金回避に成功

英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は最近、アップルの生態系からタブレット端末「iPad(アイパッド)」版の読者を引き抜こうとしており、順調にいっているようだ。

 同紙幹部は6月16日、アイパッドとスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」向けのウェブベースのアプリケーションについて、親会社の英出版大手ピアソンが1週間余り前に提供を開始して以来10万人以上がアクセスしたことを明らかにした。これはFT電子版有料購読者22万4000人(3月末時点)の約半分に当たる。

 このアプリケーションは、アップルのオンライン音楽配信サービス「iTunes(アイチューンズ)」向けに設計されたアプリと同じように見える。違いは、読者がアイパッドかアイフォーン上のブラウザで入手できることだけだ。読者がアイチューンズの「App Store(アップストア)」に行く必要がないため、このオプションはFTその他出版社にとって大きな意味を持つ。

 アップストアでは、アップルが売上高の30%を徴収し、顧客情報を管理している。FTのアイチューンズ向けアプリケーションと同様、ウェブ版では月間10本の記事が無料で読め、それを超えると有料。設計面では二つのアプリはほぼ同じ。ただ、ウェブ版は新たなコンテンツのダウンロードやアップグレードを自動で行う。

米大統領が財政協議に関与、デフォルト回避に向け与野党幹部と会談へ

【ワシントン】オバマ米大統領は24日、連邦債務上限引き上げに向けた与野党間の協議が行き詰まっている問題で、上院幹部に打開への協力を要請した。大統領が財政協議に直接関与するのは初めてのこと。米国のデフォルト(債務不履行)の回避は、大統領と議会指導者に委ねられた。

 23日に暗礁に乗り上げた交渉を再開させるため、 大統領は週明け27日に民主・共和両党指導者と会談する予定。法律が定める債務の上限は14兆2900億ドルで、8月2日までに引き上げなければ、米国はデフォルトに陥る可能性がある。

 打開の鍵は、赤字削減策の調整。民主党が増税も含めるべき、としている一方、共和党は歳出削減のみでこれを達成すべき、としている。

 ホワイトハウスによると、オバマ大統領とバイデン副大統領は27日、民主党のリード上院院内総務と共和党のマコネル上院院内総務と個別に会談する予定。

インタビュー:原発全停止なら20年度まで経済下押し=岩田前日銀副総裁

[東京 24日 ロイター] 岩田一政・前日銀副総裁(日本経済研究センター理事長)は24日、ロイターとのインタビューで、国内全ての原子力発電所が稼働を停止する場合には2020年度まで経済の下押し圧力となると指摘した。
 一方、再生エネルギー普及のためには電力価格の透明性が必要だとして、発送電を分離し、電力市場の自由化を促進する必要性を強調した。 

 岩田氏は、東京電力(9501.T: 株価, ニュース, レポート)・福島第1原子力発電所事故を受けた原発の安全への懸念により、日本の原発54基のうち停止中の37基が再稼働せず、残り17基も順次定期検査に入って再稼働しない場合、2012年4月に国内全ての原発が停止し、「ドイツよりも早く世界初の脱原発国になる」と指摘。その場合、日本経済の供給力は相当押し下げられ、2012年度には1.6%の経済下押し要因となり、火力発電などによる電力供給拡充で下押し圧力は徐々に緩和されるものの、2020年度も0.5%の下押し圧力が残ると試算した。  

  <全原発停止なら供給力低下> 

 原子力に代わり太陽光や風力など再生エネルギーを増やすことは「大変よいことだが、(国内電力需要を満たすには)間に合わない」とし、「(全原発が停止し供給力が大きく押し下げられる)事態に果たして日本が耐えられるか考える必要がある」と指摘した。 

 地域住民の理解を得る形で停止中の原発を再稼働するためには、1)事故に人災の側面がなかったかなど原因究明、2)検証を踏まえ国際原子力機関(IAEA)などの国際的な基準と整合的な新たな安全基準の設定、3)過去のしがらみにとらわれない新しい規制委員会による監視体制を確立することで、「どの原発が再稼働可能か判定することが必要」と強調した。 

  <福島事故で原発の発電コスト上昇> 

 これまで原発は発電単価がキロワット時5.5円程度と他の発電方法と比べもっとも安価とされてきたが、福島事故により「大規模な自然災害が発生した場合に払わなければならないコストがかなり上昇した」と指摘。米シンクタンクの試算では「大規模な自然災害を考えなくとも原発の単位当たり発電コストはや風力よりも高くなっている」とし、経済合理性の観点から原発依存度を高めるのが難しくなりつつあるとの見方を示した。

米国でスリーマイル島事故が発生した1979年以降は40年間原発が新設されなかった点を挙げ、「これだけ大きな事故が発生した日本で現状の9─14基の新設計画を進めるのは難しくなっており、原発の耐用年数を40年とすれば、2050年には稼働原発がゼロになる」と述べた。 

  <再生エネルギーでは風力に大きな潜在力>

  その上で岩田氏は、石油や天然ガスなどの化石燃料に対する新興国での実需増や今後枯渇する可能性を背景とした価格高騰を考慮すると、再生エネルギーの拡充が不可欠との見方を示した。

 再生エネルギーのうち日本では太陽光発電が注目されることが多いが、岩田氏は風力発電の潜在的な成長力に着目。「被災した三陸や福島県の浜通りなど海外を風力発電の基地にすることなどで東北地方で1600万キロワット程度と東北電力全体の電力供給能力と同等の潜在的な風力発電供給力がある」と述べた。地熱発電も潜在的な利用価値が高いと強調した。 

 しかし、気候次第で発電量が変動し、現在は発電コストが割高とされる再生エネルギーの普及を後押しするには、現在は地域独占企業に運営されているため需給がみえない電力価格を、需給を反映し透明性を備えたものにする必要があると指摘。「送電網へのアクセスを公平にし、再生エネルギーの比率を増やすには、大きな方向としては発送電分離・自由化していくことが正しい」との見方を示した。

GE日立の次世代原子炉「ESBWR」、最終設計認証に向け前進

[24日 ロイター] GE日立ニュークリア・エナジー(GE.N: 株価, 企業情報, レポート)(6501.T: 株価, ニュース, レポート)によると、米原子力規制委員会(NRC)は、次世代原子炉とされる「単純化沸騰水型原子炉」(ESBWR)について、最終設計認証に関する75日間の一般意見公募を完了した。
 6月7日までの公募期間中に3件の意見が寄せられ、今後の認証手続きで検討されるとした。NRCは年内に認証に関する決定を行うとみられている。

一部の米MMFから資金引き揚げる動き、ギリシャめぐる懸念で

 [ニューヨーク 24日 ロイター] ギリシャ債務問題への懸念を背景に、投資家の間で一部の米マネー・マーケット・ファンド(MMF)から資金を引き揚げる動きが出ている。ギリシャがデフォルト(債務不履行)した場合、これらのMMFによる欧州の銀行への投資が損失を被る恐れがあるとみられている。
 MMF情報会社クレーン・データによると、米MMFの資産残高は23日、米財務省証券のみに投資するファンドで52億ドル増加したのに対し、財務省証券以外に投資するファンドでは36億ドル減少した。

 アナリストによると、市場では財務省短期証券(Tビル)への需要が高まっており、Tビル利回りは今週、一時マイナスとなった。

 ただ、2007─09年の世界的な信用収縮時のような金融システムの緊張の兆しは現時点で確認されていない。

 RBCセキュリティーズの短期市場・先物戦略責任者ジム・リー氏は「市場は様子を伺っている。ギリシャの債務が再編される事態になれば、波及が始まる」との見方を示した。

 アナリストによると、運用担当者や企業の財務担当者は、欧州の銀行が発行したCPやその他の債券に投資している法人向けMMFから資金を引き揚げ、一部を米財務省証券のみに投資する比較的リスクの低いMMFや銀行預金にシフトしている。

イタリアの銀行株が急落、一時ストップ安-債務危機の拡大を警戒

6月24日(ブルームバーグ):24日のミラノ株式市場でイタリアの銀行株が急落した。銀行の資本水準が当局の審査対象となる中、欧州の債務危機が拡大するとの懸念から売りが優勢となった。

  銀行最大手のウニクレディトが一時8.9%安、同2位のインテーザ・サンパオロが7.2%下落した。両銘柄は値幅制限いっぱいまで下げ、一時売買が中断される場面もあった。

  ウニクレディトのストラテジスト、クリスチャン・ウェーバー氏(ミュンヘン在勤)は、「信頼できる持続的なギリシャ解決策がまとまらない限り、危機波及への懸念は後退と浮上を繰り返す」と語った。

  欧州連合(EU)首脳会議(サミット)は、ギリシャのデフォルト(債務不履行)回避を目指し断固とした措置を講じることを表明した。

  ミラノ時間午後3時42分(日本時間同10時42分)現在、インテーザは2.3%下げ1742ユーロ、ウニクレディトは3.6%安の1391ユーロで取引されている。

  欧州の規制当局が7月に実施する銀行ストレステスト(健全性審査)では、インテーザとウニクレディトを含むイタリアの5行も対象となる。

バーゼル委:巨大金融機関に自己資本比率の最大2.5%上積み求める

 6月26日(ブルームバーグ):世界の金融監督当局で構成するバーゼル銀行監督委員会は、新たな金融危機の回避への取り組みの一環として、国際金融システムの安定に重要な巨大金融機関に対して自己資本比率の最大2.5%の上積みを求めることを明らかにした。関係者1人によると、世界全体で最高30の金融機関が自己資本比率の増強を求められる公算がある。

  同委は25日の声明で、自己資本比率の増強は1-2.5%になると発表した。同関係者は匿名で、米国で最高8つの金融機関を含めて、世界で28-30の金融機関が新規制の対象になる可能性があると語った。

  金融機関は新規制が世界の景気回復を損なう恐れがあると主張しており、監督当局は自己資本比率の増強をめぐって一部の金融機関と対立している。

  米連邦預金保険公社(FDIC)のベアー総裁は22日の議会証言で、多くの金融機関がシステム上重要だと分類されないよう「精力的にロビー活動を行っている」と述べていた。

  ポーテールス・パートナーズのアナリスト、チャールズ・ピーボディ氏は電話インタビューで、「監督当局が自己資本比率増強を求めている手法を考慮すれば、米銀にとっては考えられる最良の結果だ」と指摘。欧州の銀行はリスクの高いソブリン債へのエクスポージャーがより多く、米銀よりも自己資本比率が十分でないため、最大2.5%の上積みが欧州銀にとって持ちこたえられる上限だとの見方を示した。

  ピーボディ氏はバンク・オブ・アメリカとJPモルガン・チェース、シティグループの米銀3行をはじめ、少なくとも8つの金融機関が2.5%の上積みを求められる可能性があると指摘。モルガン・スタンレーのアナリストは19日の報告書で、英銀HSBCホールディングスとドイツ銀行も最大の上積みを求められるとの見方を示していた。

  ピーボディ氏によると、シティはパンディット最高経営責任者(CEO)がシティ・ホールディングス部門の3000億ドル強の不良資産を売却し、モルガン・スタンレー・スミス・バーニーの合弁事業を分離するのに成功すれば、自己資本比率の上積みはより低い水準となる可能性があるという。シティのスポークスマンは25日、この件についてコメントしなかった。

  バーゼル委は声明で「7月末ごろに」自己資本比率に関するより詳しい内容を公表するとしている。

  同委によると、当初は自己資本比率の積み上げは最大2.5%だが、最も高い自己資本比率を求められる金融機関が規模を拡大すれば3.5%に引き上げられる。

  自己資本比率に関する新規制は2016年1月1日から19年1月1日に導入される。

シュタルク理事:ギリシャへの新たな支援は最後のチャンス-FAZ紙

6月24日(ブルームバーグ):欧州中央銀行(ECB)のシュタルク理事はギリシャが新たな救済プログラムの条件を満たせないなら、それ以上の支援はないだろうと述べた、と独紙フランクフルター・アルゲマイネ(FAZ)が伝えた。インタビューを引用している。

  シュタルク理事は同紙に対し、「支援プログラムを永久に続けることはできない」と指摘。「このプログラムを通じてギリシャはチャンスを得る。最後のチャンスだ」と言明した。

  同理事はまた、格付け会社がギリシャ国債の格付けを選択的デフォルトやそれより低い水準に引き下げれば、ECBは担保として受け入れないだろうと述べた。

米CFTC、IEAの発表に先立つ原油相場下落を調査-CNBC

6月24日(ブルームバーグ):米商品先物取引委員会(CFTC)は、国際エネルギー機関(IEA)が石油備蓄放出を発表する直前に原油相場が下落した要因を調査している。米経済専門局CNBCがダウ・ジョーンズ通信(DJ)を引用して伝えた。

IEA事務局長:必要なら石油備蓄をさらに放出の可能性-北京で語る

6月25日(ブルームバーグ):国際エネルギー機関(IEA)の田中伸男事務局長は25日、北京で、加盟国が石油備蓄放出を決定した後で、エネルギー市場を見守っており、石油価格安定に必要であれば、再び行動を取ることを明らかにした。

  同事務局長は北京での会合で記者団に対し、「われわれは市場の反応待ちで、状況を分析し、30日後に今後の行動を決定する」と述べ、「必要なら、われわれは継続する」と述べた。

  IEAは今月23日、日量200万バレルを30日間放出すると発表した。

  同事務局長は備蓄放出について、予防的行動であり、エネルギー市場の「ソフトランディング(軟着陸)」に役立つだろうと指摘。今回の行動がなければ、石油価格は2012年に非常に高くなり、「世界経済の健全な回復を確実に損なうだろう」と述べた。

JPモルガン ダイモンCEO

新BIS規制について:「バーゼル3によって巨大なレバレッジ解消がおき、世界経済を後退させる可能性がる」http://t.co/mcQ5KOV → 資本強化規制は融資を減少させ、デフレがおきる

「理解に苦しむ」石油備蓄放出、米国の供給過剰さらに膨らむ-関係者

6月23日(ブルームバーグ):米政府が石油備蓄を日量最大100万バレル放出する計画を発表したことを受けて、石油生産会社の株価は過去約1年間で最大の下落率を示した。米国の石油市場は既に供給過剰な状態になっている。

  リビアでの内戦で同国の原油輸出に支障が生じているほか、サウジアラビアが石油輸出国機構(OPEC)加盟国から増産合意を取り付けることができなかったことを受け、米国など国際エネルギー機関(IEA)加盟28カ国は23日、石油備蓄を放出する方針を表明した。ニューヨークの原油先物相場は一時、1バレル当たり5ドル以上下落した。

  米エネルギー省(DOE)によると、米政府はIEA加盟国備蓄の協調放出の一環として、向こう30日間に戦略石油備蓄(SPR)3000万バレルの放出を計画している。IEA加盟27カ国も同期間に計3000万バレルを放出する予定。

  DOEによると、ガソリンやディーゼル油などの燃料の需要は減少している。一方、米国の石油精製会社では原油在庫が高水準にあり、輸入を削減している。米国石油精製協会は備蓄放出の決定について、「意味がない」とし、「消費者に何の恩恵ももたらさない」政治的な動きであると批判した。

  ハワード・ウェール(ニューオーリンズ)のエネルギーアナリスト、ブレーク・フェルナンデス氏は電話インタビューで、「米国の状況は需要に対応するために石油の現物供給を増やす必要がないので、理解に苦しむ決定だ」と指摘。「欧米諸国の政府が高水準の原油価格抑制に向けて取った感覚的な動きのように見える」と述べた。

  エクソンモービルやコノコフィリップスなど7銘柄で構成するスタンダード・アンド・プアーズの石油業界指数は、IEAの発表後45分間に最大3.5%下げ、2010年6月4日以降で最大の下落幅を記録。ニューヨーク時間午後2時42分(日本時間24日午前3時42分)現在、ニューヨーク証券取引所の取引でこの7銘柄のうちマラソン・オイルとシェブロンの株価が最大の落ち込みとなっている。


【東京バサラ】
 法的に金融緩和できないオバマが減税代わりに行った人気取り政策との噂有り。

ギリシャは返済能力欠如、システム全体に汚染拡大も-エラリアン氏

6月23日(ブルームバーグ):ギリシャ危機解決に取り組む欧州首脳らは、同国の債務返済能力の欠如に対応しておらず、汚染がシステム全体に広がる恐れがあると米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)のモハメド・エラリアン最高経営責任者(CEO)が警鐘を鳴らした。

  エラリアンCEOはブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、欧州当局者らは危機の背後にある状況に対処せずに、ギリシャ危機を流動性の問題として扱っていると語った。

  同CEOは「ギリシャは2つの根本的な問題を抱えている。債務が多過ぎること、それと十分に成長できないことだ」と指摘。「支払い能力の問題であることを認識してそれに対処し、基本的な影響の広がりを最小限に抑えるために他の部分を守るべきだ」と訴えた。

  ギリシャ債務の国内総生産(GDP)比率は昨年143%に達した。

  エラリアンCEOは「重要なのはシステム全体を汚染しないようにすることだ。支払い能力の問題に対して流動性の問題に対応するようなアプローチを続けることで、われわれは来る日も来る日も汚染が全体に広がる危険を冒している」と警告した。

【好色増殖炉】原発事故アノ審議官が不倫ヅラ!「肉体関係ない」も隠蔽か?

福島第1原発事故を受け、原子力安全・保安院のスポークスマンとして、連日会見を行っている西山英彦審議官(54)に、経産省の若い女性職員との不倫スキャンダルが炸裂した。西山氏は23日昼の記者会見で、海江田万里経産相から厳重注意を受けたことを明らかにし、「深く反省している」と頭を下げた。しかし、事実関係については「ノーコメント」といい情報開示を拒んだ。

 スキャンダルは同日発売の週刊新潮が報じた。

 同誌によると、西山氏は今月17日夜、都内の高級ホテルのバーで、20代後半とみられる和風美人の経産省職員とデート。帰りに一緒に散歩をする間に、女性の腰に手をかけるなどして、節電で暗がりとなった路上では3度もキスをしたという。

 西山氏には妻と1男1女がいるが、部下だった女性の悩みの相談を受けるうちに、約1年前から親密に。週に数回、都内のバーで飲食したり、カラオケボックスのVIPルームで愛を確かめ合うのが“お約束”だったと報じている。同誌の取材に、西山氏は「肉体関係はない」と話している。

 23日昼の記者会見で、西山氏はいつも通りの硬い表情で「こうした報道が出ること自体、私の至らなさで、深く反省している。今朝、海江田大臣にも厳重注意を受けた。この記事によって、私が仕事に身が入っていないという誤解や懸念を与えたとしたら誠に申し訳ない」と謝罪した。海江田氏には「職務をしっかりやるように」と指示を受けたといい、スポークスマンの交代は否定した。

 ただ、不倫報道の事実確認を求める質問には、西山氏は「個人的なことなのでコメントしない」とめずらしく語気を強めて説明を拒んだ。

 西山氏は東大法学部を卒業後、1980年に旧通産省に入省。米ハーバード大法学科大学院も修了したスーパーエリートだ。企画調整課長や電力・ガス事業部長などを歴任し、「将来の次官候補」との呼び声も高い。

銀相場の高騰、太陽光発電業界に「逆風」-化石燃料との競争力低下

6月23日(ブルームバーグ):銀相場の高騰により、太陽光発電業界の化石燃料に対する競争力が低下している。

  銀は太陽電池の電気伝導体として利用され、太陽光パネルメーカーは世界の銀供給の約11%を消費する。銀相場の年初来の平均は1オンス当たり35.30ドルと、昨年の20.24ドルから74%高騰している。

  ブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンスによると、太陽電池価格は今年に入って約27%下落している。パネル1個当たりに利用される銀の量が約20グラムを下回ればさらに低下する可能性がある。そうなれば、ドイツのソーラーワールドや中国のLDKソーラーなどの太陽光パネルメーカーが、在来型エネルギーと競合できる価格水準で納入できる日が遠くなる。

  中国を拠点とするカナディアン・ソーラーのショーン・クー最高経営責任者(CEO)はインタビューで「世界の銀相場は大幅に上昇しており、太陽電池には銀ペーストが接着材料として利用されている」と述べ、「銀価格の上昇は、太陽電池価格の引き下げを目指す当社の取り組みを困難なものにするだろう」との見方を示した。

  ブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンスの推計によれば、太陽光パネルの価格は6月に1ワット当たり1.49ドルと、1月時点の約1.80ドルから下落した。特に中国のメーカーによる増産と欧州で補助制度が縮小されたことが背景にある。

  バークレイズ・キャピタルは顧客向け文書で「一部の企業は銀消費を減らすための措置を講じているが、銀価格の上昇はなお逆風となりそうだ」と指摘した。

中国の米国債保有、月次統計でのドル売りにリスクも-シティグループ

6月22日(ブルームバーグ):米財務省の月次データで中国の米国債保有の減少が示されたとしてドルを売るのは、早まった投資行動かもしれない。シティグループのスティーブン・イングランダー氏が指摘した。

  シティでG10(主要10カ国)通貨戦略責任者を務めるイングランダー氏は電子メールを通じたリポートで、「ドル売り・買いのシグナルとして、月次統計を活用するつもりはない」とし、「月次データは誰が米国債を購入・売却したかについて、著しい誤解を与えかねない。後にベンチマーク改定を施した統計が公表されるまで地域ごとの仕分けは極めてお粗末だからだ」と説明した。

  中国による米国債保有の減少を示す財務省の統計は、過去数年、増加に改定されてきているとイングランダー氏は指摘する。中国は外国勢では最大の米国債保有国。

  同氏は22日に発表したリポートで、中国人による購入の過小評価につながるきついバイアスがかかっているため、同国が米国債保有を減らしつつあるとの観測は時期尚早である可能性が高いと分析。「毎年6月は、財務省のベンチマーク改定により、中国の米国債保有が大幅に上方修正される」と同氏は指摘した。同改定では受益権所有者の所在地がベースとなる。

米財務省が先週発表した統計によると、中国の米国債保有額は4月に半年ぶりに増加。同国の中・長期米国債保有額は0.8%増加し1兆1490億ドル(約92兆6000億円)と、昨年12月の1兆1450億ドルを超えて過去最高となった。

米FRB、8月にQE3示唆する公算=PIMCOグロース氏

 [ニューヨーク 22日 ロイター] 債券ファンド米パシフィック・ インベストメント・マネジメント(PIMCO)のビル・グロース共同最高投資責任者(CIO)は22日、今年8月に米ワイオミング州ジャクソンホールで開かれる毎年恒例の経済・金融に関する会合で、米連邦準備理事会(FRB)は量的緩和第3弾(QE3)を示唆する公算が大きい、との考えを示した。
 同氏は、インターネットの簡易投稿サイト「ツイッター」上で、「8月の次回ジャクソンホール会合が、QE3/金利抑制を示唆する(場となる)公算が大きい」と述べた。

中国、米ドル回避を本格化?1~4月の外貨準備増額分中、75%は米ドル以外―英紙

2011年6月21日、フィナンシャルタイムズ(中国語電子版)は、記事「中国の米ドル資産保有額が大幅減少」を掲載した。以下はその抄訳。

先日、スタンダード・チャータード銀行は今年1月から4月における中国外貨準備高の運用について報告書を発表した。約2000億ドル(約16兆1000億円)増加したが、うち75%は米ドル以外の資産に投資したと見られる。

中国当局は過去6年以上にわたり、米ドル資産を積み増してきたが、その一方で資産ポートフォリオにおける米ドルの比重を引き下げたいと繰り返し表明してきた。「ついにその後動きが本格化した」とスタンダード・チャータード銀行の王志浩・大中華圏担当エコノミストはコメントしている。

ピカソが愛人2人を描いた肖像画2点、計41億円で落札-予想上回る

6月21日(ブルームバーグ):パブロ・ピカソが愛人2人をそれぞれ描いた肖像画2点が計3150万ポンド(約41億円)で落札された。他の芸術家の作品についてはコレクターの選択眼が鋭さを増す中、ピカソの作品をめぐっては引き続き争奪戦が繰り広げられている。

  クリスティーズ・インターナショナルが21日、ロンドンで開いたオークションで、ピカソの愛人、マリー・テレーズ・ワルテルが両腕を組んでうたた寝をしている様子が描かれた「Jeune fille endormie」が1350万ポンドで落札された。その数分後、別の愛人、ドラ・マールを描いた「Femme assise, robe bleue」に1800万ポンドの値が付いた。オークションには、これらを含め印象派や現代美術の作品計92点が出品された。

  ディーラーらによると、バイヤーは最高の作品のみを選んでいる。今回のオークションでは、印象派の画家クロード・モネがフランスのジベルニーにある池を描いた「Nympheas」が出品されたが、応札はなかった。この作品は1700万-2000万ポンドでの落札が予想されていた。

  ワルテルの肖像画の予想落札価格は900万-1200万ポンド。1935年作のこの作品を購入したのは、オークション会場で応札したロンドンのピムズ・ギャラリーのアラン・ホバート氏。売却したのは匿名の所有者で、収益はオーストラリアのシドニー大学に医学研究の資金として寄付される。クリスティーズによると、この作品が公の場に姿を現したのは70年ぶり。

  マールの肖像画は1939年作。1800万ポンドで落札され、予想価格の400万-800万ポンドを大幅に上回った。クリスティーズのシニアディレクター、トーマス・セイドー氏が電話で顧客の指示を受け、落札した。売却者はこの作品をスイスのアートディーラー、エルンスト・バイエラー氏から1968年ごろに購入したという。

新規公開株の狙い目は「商品」と「民営化」-IPO勝ち・負け組番付

6月22日(ブルームバーグ):米ソーンバーグ・インターナショナル・バリュー・ファンドの運用担当者ウィリアム・フライズ氏は2010年の夏、投資先を探すためインドを訪れた。ムンバイとデリーの企業を訪問したフライズ氏は、停電に備えてバックアップ用のディーゼル発電機を企業が用意していることに気付いた。インドでは電力供給不足で停電が日常茶飯事だからだ。

  これに注目したフライズ氏は4カ月後、国営石炭会社コール・インディアの35億ドル(約2800億円)規模の新規株式公開(IPO)に応募して同社株を購入した。インドでは発電量増加に伴い、主要燃料である石炭の販売が伸び、コール・インディアの業績を後押しすると判断したためだ。

  この賭けは成功した。コール・インディア株は昨年10月25日に決まったIPO価格から今年5月31日までに67%上昇。10年10-12月(第4四半期)に10億ドル以上のIPOを実施した企業の中で値上がり率トップとなった。このランキングの14銘柄のうち11銘柄はリターンがプラスとなっている。ブルームバーグ・マーケッツ誌8月号が報じた。平均リターンはプラス15%。

  フライズ氏はIPO後もコール・インディア株を買い続けた。コール・インディアの製品に対する需要は出てくると期待する同氏は、「インドは大幅な電力不足だ。今後10年で多数の発電所を建設するだろう」と予想する。

古い歴史

  昨年第4四半期の新規公開株でリターンが好調な銘柄は主に、ベンチャー・キャピタリストではなく、政府が売却した歴史の古い商品関連企業だ。ランキング3位にはマレーシアの国営石油探査・生産会社からスピンオフ(分離・独立)されたペトロナス・ケミカルズ・グループが入った。同社株は5月末までに39%上昇した。同4位のオーストラリアの石炭輸送鉄道会社QRナショナルはクイーンズランド州政府が売却した。リターンはプラス35%。

  株式相場の上昇を追い風に、世界のIPO総額は昨年第4四半期に1270億ドルに上り、09年全体を上回るペースとなった。米政府が部分所有していた2社も昨年第4四半期にIPOを実施した。米保険会社アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)のアジア部門であるAIAグループは香港に上場。40%近く値上がりし、同ランキング2位。一方、自動車メーカーのゼネラル・モーターズ(GM)は5月末時点でIPO価格に比べて3.6%下落している。同ランキングでIPO価格を5月末に割り込んでいたのはGMを含めて3銘柄だけだった。

            人気沸騰

  コール・インディアのIPOはインド史上最大規模だった。インドのシン政権は株式相場上昇の好機を利用し、国有資産売却計画の一環として石炭生産で世界最大の同社の株式を放出した。

  インドの政府保有株式売却局のスーミット・ボス局長は「コール・インディアが政府保有株売却プログラムの中で人気案件になることは疑いなかったが、これほどの強い反応は予想していなかった」と語った。

  コール・インディア株のIPOには投資家から少なくとも487億ドル相当の購入希望があり、応募倍率は14倍に上った。

  昨年の株式資本市場の中心はアジア企業の株式発行だった。この事実はリターンランキングにも反映されており、半数はアジア企業だった。世界のIPOに占める米企業の割合は昨年、史上最低に落ち込んだ。

  企業が選んだ株式上場先も東洋にシフトした。ドル換算ベースでみると、10年は香港と中国本土の証取への上場がIPO全体の45%を占めた。米国はわずか16%だった。06年までは米国と英国が新規公開株の上場先として最も人気が高く、計34%を占めていた。香港と中国本土は21%だった。

            政府との関係

昨年第4四半期のIPOの活況はバンカーに朗報だったが、政府との関係から幾つかの取引で投資銀行の手数料が抑制された。コール・インディアの引き受け幹事を務めたシティグループやドイツ銀行、バンク・オブ・アメリカ(BOA)などが得た手数料は1%と、昨年の世界のIPOでの平均の3%をはるかに下回った。

  シカゴ大学ブース・ビジネス・スクールのスティーブン・カプラン教授は、投資銀行が政府のご機嫌を取り重要案件に関わろうと競争していたためと分析する。「銀行は政府保有株の売却では大幅に手数料を引き下げていたようだ。極めて大規模な国有企業の案件を手掛ければ、引受業者ランキングで上位に立つとともに、今後の案件獲得に向けて宣伝することができるからだ」と同教授は語る。

  昨年第4四半期に新規公開したインターネット関連株で規模が最大だったのはロシアのソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)運営会社のMail.ru Group(メール・ドット・ルー・グループ)。5月末までの上昇率は24%と、ランキング5位で、米フェースブックなどのネット企業の公開をにらむ投資家には安心材料となるだろう。

  ただ、メール・ドット・ルー株は公開から10週間後に高値を付けており、5月末時点では既にピークから20%強も値下がりしていた。ランキング上位にある政府支援の商品関連企業の方が好調な値動きが長続きしている。

英BP前CEOのエネルギー投資会社、IPOの規模1600億円に拡大

6月16日(ブルームバーグ):英石油会社BPのトニー・ヘイワード前最高経営責任者(CEO)らが支援する投資会社バラレスの新規株式公開(IPO)の規模が「少なくとも」12億ポンド(約1600億円)と、10億ポンドから引き上げられたことが、ブルームバーグ・ニュースが入手したIPO概要書で明らかになった。

  この投資会社はヘイワード氏のほか資産家のナサニエル・ロスチャイルド氏、米ゴールドマン・サックス・グループのベテラン投資バンカー、ジュリアン・メセレル氏が支援。ヘイワード氏は先週、価値30億-80億ポンドの企業か資産を2年以内に買収する方針であることを明らかにした。概要書によると、IPO価格は1株当たり10ポンドで、17日にロンドン市場で取引が開始される。

  スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)の株式調査アナリスト、クリスティン・ティスカレノ氏(ロンドン在勤)は「商品に有利なトレンドがあると考えれば非常に多くのチャンスがあり、ヘイワード氏はそのことが確実に分かっている」と指摘。「この企業は、既に成功している探鉱会社に市場参入の足掛かりを提供するだろう」との見方を示した。

  バラレスはIPOの規模を当初の予定から引き上げることを目指しているが、上場している商品取引会社としては世界最大手のグレンコア・インターナショナルの株価は5月19日のIPO以降、12%以上下落している。バラレスは16日、当初の予定より4日早く申し込み受け付けを締め切った。

  バラレスの広報担当者、エドワード・シンプキンス氏はコメントを控えた。