2010年5月29日土曜日

スペインの信用格付け「AA+」に引き下げ-フィッチ

5月28日(ブルームバーグ):格付け会社フィッチ・レーティングスは、スペインの信用格付けを「AAA」から「AA+」に引き下げた。

  フィッチが28日発表した資料によれば、同社はスペインの格付けを「AA+」と1段階引き下げ、見通しは「ステーブル(安定的)」とした。同社はスペインに対し、2003年以降トリプルAを付与していた。同業の米スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は先月28日に、スペインの格付けを「AA」に引き下げている。

  フィッチの欧州・中東・アフリカソブリン格付け担当責任者、ブライアン・クルトン氏は資料で、「民間部門・対外債務の水準引き下げに向けた調整過程で、スペインの経済成長率は中期的に大きく低下する見通しだ」と説明した。

「スラムドッグ」の印作家、大阪で「ラブホ」題材に短編も-インタビュー

5月29日(ブルームバーグ):在大阪インド総領事館のビカース・スワループ総領事(48)は、外交官と同時に作家としての一面も持つ。昨年のアカデミー賞で8冠に輝いた映画「スラムドッグ$ミリオネア」の原作者で、赴任先の大阪で総領事としての業務をこなすかたわら、密かに次回作の構想を練っている。

  カプセルホテルやラブホテルなど日本独特の文化に関心があるといい、これらを題材とする短編小説を書いてみたいと話した。インタビューは4月5日、大阪市中央区の同総領事館で行った。

ギブソン:大阪勤務は自身で希望したのか。

スワループ:そうだ。これまでいろいろな国で副領事など補佐的な仕事をしてきたが、そろそろ総領事として責任ある仕事を任されてもいいころだと思い、異動の希望を出したところ、認められた。

堀江:実際に住んでみて日本や大阪の印象は。

スワループ:「きらびやかなハイテクの国」という頭に思い描いていた通りの印象だった。ただ、こんなに近代的な国であるにもかかわらず、伝統的な側面も持ち合わせていることには感心した。大阪はフレンドリーで東京と比べて時間の流れがゆったりしている印象だ。

ギブソン:「スラムドッグ$ミリオネア」の原作となった処女小説「Q&A(邦題・ぼくと1ルピーの神様)」を執筆した動機は。

スワループ:この小説は、ロンドンに勤務していた2003年に約2カ月間で書き上げた。ロンドンはニューヨークと並んで英語圏の出版業界の拠点。外交官仲間で作家志望の人がいるなど、刺激を受けて自分でも小説を書いてみようと思った。出版社の人が「これはすごい作品だから、十分な準備期間を経て売り出したい」と言ったため、結局、発表されたのは05年になった。インドの小説が西洋の映画になるということはこれまでほとんどなく、映画化されるなど思ってもいなかった。

ギブソン:大阪で新しい小説を書く計画は。

スワループ:日本で生活を始めてあまり時間がたっておらず、日本や日本人の本質についてまだ十分理解できていないので長編小説を書くのは難しいのではないか。ただ、短編小説を何本か書くということはあるかもしれない。今、私が関心を持っているのは日本のカプセルホテルやラブホテルなどだ」

堀江:なぜそうしたものに関心を。

スワループ:「たとえば土地の問題があればカプセルホテルを作るし、プライバシーの問題があればラブホテルを作る。そしてラブホテルは決してこそこそ出入りするような安っぽい場所では決してない。日本ではすべてオープンで何か問題があればそれに対する解決策が用意され、ほしいものが堂々と手に入れられる。そういう点は素晴らしいと思う」

  「『オタク』という言葉に代表されるように、細部にこだわる独特の気質も興味深い。また、日本人が美しいものへの感受性を持っていることはもっと知られるべきだ。俳句などはまさに美そのものを歌にしたものだし、春にはお花見で大勢の人が賑わう。日本以外の国の人々はこうした瞬間の美に対する感性を失ってしまったと思う」

堀江:大阪では小説を書く時間はとれそうか。

スワループ:赴任する前は時間に余裕ができると思っていたが、それは大きな間違いだった。休日も講演やイベント、インド人コミュニティーの集まりなどに出席することが多く、本当に時間が取れない。本業優先で小説執筆はあくまでも趣味。締め切りに追われる状態も好きではないので、自分のペースで書こうと思う気持ちになれれば書いてみたいと思う。ただ、インドに戻ると仕事はもっと忙しくなることが予想されるので、大阪にいる間が小説を書くチャンスであるということは言えると思う。

ギブソン:日本とインドの関係改善にどんな役割を果たしたいか。

スワループ:日本とインド間の貿易は年間120億ドル(約1兆1000億円)に達するが、その多くは東京で行われている。大阪は伝統的に繊維の取引が強かったが、ここにきてハイテク関連でも注目集めるようになってきた。バイオテクノロジーやヘルスサイエンス、再生利用可能エネルギーなどはインドにとっても非常に関心がある分野。大阪に本社を構える企業に対して、インドにもっと真剣に関心を持ってもらい、彼らの技術を売り込んでもらえるような努力を続けている。そうすることで大阪も利益を得られるだろう。

  スワループ氏は1961年6月23日、インド北部アラーハーバード生まれ。地元の大学で歴史学や心理学、哲学を学ぶ。卒業後、外交官としてトルコや米国、エチオピア、英国、南アフリカなどで勤務、09年8月から現職。趣味は音楽鑑賞、スポーツ(クリケット、テニス、卓球)。家族は妻と息子2人。

米リグ爆発で死亡の作業員、英BPからの圧力に不安漏らす-父親証言

5月28日(ブルームバーグ):メキシコ湾のリグ(掘削装置)「ディープウオーター・ホライズン」の爆発事故で死亡した幹部作業員が家族に対し、英BPから時間と利益のためなら安全性を犠牲にするようプレッシャーをかけられていると話していたことが、この作業員の父親の証言で明らかになった。

  事故で死亡したとみられる作業員11人のうちの1人、ジェーソン・アンダーソン氏(35)の父親、ビリーさん(66)によると、同氏は2月と3月に親類に対し、BPが油井での作業速度を上げるよう求めていると語った。ルイジアナ州沖にあるBPのマコンド油井で4月20日に発生した爆発事故によりリグは炎上し沈水、原油流出は米国史上最悪の規模に達している。

  アンダーソン氏はリグを保有するトランスオーシャンの社員。父親によると、このリグでこれまでに掘削した複数の油井での作業中には、アンダーソン氏は安全性を損なうような作業方法は避けるようBPの担当者を説得することができていた。ところが、事故の8週間前、BPはプレッシャーを強め、安全性が低下するとの意見を却下するようになったという。

  ビリーさんは27日、ヒューストンの南西約110マイル(約180キロメートル)にあるテキサス州ブレッシング近郊の自宅でインタビューに応じ「ジェーソンは、過去に担当した油井で作業速度を上げたり安全性が低下するような変更を求められたりした時、数回にわたってBP側を説き伏せたとわたしに話していた」と振り返った。「最後に2度帰宅した際には、彼らからのプレッシャーがだんだんと強まっていて不安だと言っていた」と述べた。

  ビリーさんによると、生存者の話では、事故が発生した夜、ジェーソン氏はリグの掘削フロアと呼ばれる場所にいた。油井からの圧力が急上昇するのを制御しようと、トランスオーシャンの他の作業員8人に指示を出していた。油井の先端は海面下約5000フィート(約1524メートル)の海底にあった。

  爆発時、この9人はリグと海底とをつなぐパイプからわずか数フィートの地点におり、死亡。他社の作業員2人も犠牲になったという。

2010年5月28日金曜日

合同参謀議長、陸海空軍・海兵隊部隊を相次ぎ巡視

5月28日11時32分配信 聯合ニュース

【ソウル28日聯合ニュース】国防部の李相宜(イ・サンウィ)合同参謀会議議長が23日から5日連続で陸海空軍や海兵隊の前方・後方部隊を巡視し、徹底した備えを指示している。特に、空軍戦闘機「F-15K」や陸軍の誘導弾司令部など局地攻撃を遂行する部隊をはじめ、黄海沿いの敵に最も近い地域、軍事境界線(MDL)近くの部隊にまで足を運び、北朝鮮軍が挑発を仕掛けてくる場合に備え、万全の対策を求めた。
 軍関係者によると、李議長は23日に板門店の共同警備区域(JSA)警備大隊と南北出入事務所(CIQ)を、25日には大邱の空軍南部戦闘司令部と第11戦闘飛行団、陸軍の誘導弾司令部を巡視した。26日は忠清南道・瑞山の空軍第20戦闘飛行団、黄海の延坪部隊、海兵第2師団を、27日は江原道・東海の海軍第1艦隊と楊口の第21師団を訪れた。
 李議長はJSAで、「最も近い場所で北朝鮮と直接対峙(たいじ)する部隊だけに、大隊員全員が予想される敵の挑発に断固かつ徹底して対応する作戦態勢を備えてほしい」と求めたという。
 また、空軍の飛行団では戦闘に即対応できる態勢で備えているかどうかを点検し、海軍艦隊では北朝鮮潜水艦の積極的な探査と徹底した防御態勢を指示した。
 特に最前方の陸軍部隊では、自動警戒・監視システムの構築状況を確認したと伝えられた。陸軍は最前方の鉄柵に、侵入してくる敵にロボットが自動応射する無人警戒・監視システムを構築中とされる。
 軍関係者は、李議長は来週初めまでに全軍の主要部隊を訪れ、現場指導を行うと伝えている。

2010年5月27日木曜日

ギリシャは債務再編かデフォルトに直面へ-マンデル、ハンク両教授

5月26日(ブルームバーグ):ノーベル経済学賞受賞者のロバート・マンデル米コロンビア大学教授は、ユーロ圏の一部の国は債務再編が「避けられない」可能性があるとの見解を示した。また、アルゼンチンやエストニアなどに通貨政策を助言してきた米ジョンズ・ホプキンズ大学のスティーブ・ハンク教授は、ギリシャのデフォルト(債務不履行)は不可避になる恐れがあると述べた。

マンデル教授はユーロ圏の「1、2カ国」が5年以内に債務再編を実施すると予想。ハンク教授はギリシャが債務問題で再交渉できなければ同国は「死のスパイラル」に陥り、デフォルトという結果に終わるとの見方を示した。

ユーロ圏は今月2日の財務相会合で総額1100億ユーロ(約12兆円)のギリシャ支援で合意した。同国の財政赤字は昨年、対国内総生産(GDP)比で13.6%と、欧州連合(EU)の上限の4倍強に達しており、赤字削減は難航している。支援合意後もユーロ安に歯止めがかからず、EUと国際通貨基金(IMF)は最大7500億ユーロの金融支援の枠組みを打ち出している。

ハンク教授は米シンクタンク、ケイトー研究所のウェブサイトに掲載された25日付の寄稿文で、「ギリシャの死のスパイラルは債務再編ないしソブリン債の完全なデフォルトという結果に終わるだろう」と述べ、「EUとIMF、ギリシャの政治家や官僚は支援パッケージでギリシャの時限爆弾は撤去されると説明しているが、彼らの陽気なスローガンは信じるべきでない」と指摘した。

マンデル教授は26日にワルシャワで記者会見し、「ユーロ加盟国のうち財政的に弱い1、2カ国で債務再編が必要となる可能性がある」と述べ、「今後5年以内にそれは避けられなくなるかもしれない。しかし、ユーロが解体するという意味ではない。債務再編というだけだ」と付け加えた。

同教授は、欧州にはユーロ圏としての中長期債の発行も含め、財政のより強力な中央集権化が必要だと指摘。「この10年間のユーロは素晴らしい功績を残した。しかし2本の腕のうち1本は後ろで縛られているような状態だ」と述べ、「米国のTビル(財務省短期証券)といったような域内の短期証券がない。ユーロ圏としてのTビル発行は、ユーロをドルと並ぶ準備通貨に向上させる上で大いに貢献するだろう」と説明した。

北が朝中国境に迫撃砲、北住民らは「6月始めに開戦」とうわさ

5月27日12時6分配信 サーチナ

 北朝鮮が韓国からの攻撃に備えるため、朝中国境を守る国境警備隊に砲撃砲を追加配備し、この一帯に放射砲旅団を展開させたことが分かった。韓国メディアが26日、対北朝鮮消息筋の話として伝えた。

 消息筋は、2010年2月までに朝中国境付近の国境警備隊に82ミリ迫撃砲を扱う火力支援小隊が編成され、実戦配備が完了したと明かした。国境警備隊は人民武力部に属するが、主な任務は住民の脱北防止であるため、小銃などの軽装備が主だった。

 また、これとは別に、休戦ライン一帯や海岸付近に配備されてきた北朝鮮型多連装ロケット砲が朝中国境にも配備され、北朝鮮と中国との間で微妙な緊張が生じていることも伝えられている。

 北朝鮮は武器強化の理由について、「中国側から韓国の特攻隊が攻撃する可能性があるため」と説明しているという。

 また、韓国メディアによると、北朝鮮住民の間では「6月1日-4日ごろに戦争が始まる」といったうわさが流れている。このうわさは一部の地域だけで広がっているものとみられているが、北朝鮮国内の緊迫する様子が表れている。

2010年5月26日水曜日

新 iPhoneはビデオ通話対応、CMはサム・メンデス監督

中国の工場発 (iPadと同時)、北米(遺失物)、もはやベトナム名物、また中国(ホワイトモデル) と流出を繰り返している新 iPhone のコマーシャルについて。流出したプロトタイプや開発情報から 新 iPhone が前面カメラを備えていることは確実と思われますが、新たなCMシリーズでもビデオ通話機能はアピールされるようです。情報提供者によると、新 iPhone (内部名 " Mammoth " / N90) のCMシリーズは映画「アメリカン・ビューティー」で知られるサム・メンデス監督が手がけ、うちひとつは母親と娘が前面カメラでビデオ通話する内容であるとのこと。

この情報を受けて多少検索してみると、さりげなく準備中だった新 CM シリーズのてがかりらしきものが見つかります。上はNY在住のとある女優の、「明日はSam Mendes 監督のアップルCMのオーディション」という Tweet。また続きに掲載したのは、カリフォルニア在住の俳優が近い時期につぶやいた「アップルのオーディションにいってきます」。例年のごとく新 iPhone が登場すること、テレビコマーシャルが流れることは当然すぎるほど当然ではありますが、いよいよ発表が近づいてきたことを感じさせる話です。今年の WWDC は 6月7日から開催。

ルービニ教授:米経済成長率、年末までに2%を下回る

5月26日(ブルームバーグ):米ニューヨーク大学のヌリエル・ルービニ教授は、米国の経済成長率が今年1-6月(上期)の3%から低下し、年末までに2%を下回るとの予想を示した。米政府の景気刺激策の効果が7-12月(下期)に薄れるという。同教授はブカレストでの会議で、インフレは引き続き「大きな課題」だとも述べた。

ルービニ教授:ユーロはさらに下落へ-ユーロ圏の競争力回復も

5月26日(ブルームバーグ):米ニューヨーク大学のヌリエル・ルービニ教授は、ユーロがさらに下落し、ユーロ圏の競争力回復につながる可能性があると述べた。

同教授はルーマニアのブカレストでの会議で、ユーロ圏の一部の国がユーロを離脱する公算もあると指摘。「わたしはユーロ圏の崩壊を予想しているのではない。ただ、ユーロ圏で最も弱い国の一角がユーロ離脱を決める可能性はゼロではない」と語った。

ルービニ教授:ユーロ圏の経済状況「深刻」、景気後退の二番底リスク

5月26日(ブルームバーグ):米ニューヨーク大学のヌリエル・ルービニ教授は、16カ国から成るユーロ圏の今後の経済状況は「深刻」で、リセッション(景気後退)の二番底に陥るリスクがあるとの見方を示した。

  ルービニ教授は26日、ルーマニアのブカレストでの会議で、新興国経済の回復は先進国に比べて「より堅調」になると見込んでいると語った。

  さらに「日本の景気見通しについて懸念している半面、米国に関しては楽観しているが、経済成長率はトレンドを下回るだろう」と述べた上で、「ユーロ圏の見通しをより懸念している」と続けた。

2010年5月25日火曜日

HSデント予報更新

2010年5月25日(火曜日)

市場がダウンしてダウ約200ポイントを開くには、私たちの購入ターゲットの近くに見える。理由は、欧州の債務以上継続の懸念と大幅に韓国と北朝鮮間の地政学的緊張が高まっている。私たちのサイクルが明確に示唆されている地政学的な緊張を考えると、私たちが1日以上どのように物事がここに振る参照してくださいを待って助言する。購入するターゲットは、現在の低9540の可能性 - 9700ダウで、日中。しかし、これは11300または7月中旬から8月上旬にする可能性が高いのターゲットと積極的な投資家やトレーダーのための非常に有利な買いのチャンスである。我々はこれらの目標に近づくと私たちはあなたを更新します。

2010年5月24日月曜日

今年の金相場、1920年以来最長の上げ局面か-年内さらに27%上昇も

5月24日(ブルームバーグ):投機家は産金を上回るペースで金を購入しており、アナリストらは価格が年内さらに27%上昇すると予想している。相場は年ベースで、少なくとも1920年以来最長の上昇局面となる公算だ。

UBSのデータによると、金を裏付け資産とするETP(上場取引型金融商品)は今月14日終了週に42.5トン増え、過去1年2カ月で最大の増加。調査会社GFMSによると、中国やオーストラリアなど主要産金国18カ国の週当たり生産量は昨年、平均42.3トンだった。金価格は今月14日に更新した過去最高値の1オンス=1249.40ドルから5.8%下落して同1177.10ドルとなったものの、ブルームバーグ・ニュースがトレーダーやアナリスト、投資家ら計23人を対象に実施した調査の中央値によれば、年末までに1500ドルを付ける見込みだ。

金の購入加速は、株式のMSCI世界指数が4月半ばから最大16%下落し、ユーロの対ドル相場が4年ぶり安値を付けたことが背景。ヘッジファンドを運営するジョージ・ソロス氏やジョン・ポールソン氏らを含むETP保有者は、今月14日までに過去最高の1921トンに積み上げた。これは、各国中央銀行の保有高をも4行を除いてしのぐ規模だ。

  USグローバル・インベスターズで20億ドル(約1800億円)の運用を手掛けるエバン・スミス氏は「金はあと、1000ドル上がるだろう」と語る。金が2年以内に700ドルを付けるとの2006年の予想を的中させた同氏は「欧州でこれまでに目にした混乱や問題のすべては、安全な投資避難先として金に多くの価値があることを思い出させたにすぎない」と指摘した。

ゆうちょ銀が外債大量購入

【朝日】▽ゆうちょ銀:外国債大量購入、運用多様化一歩-09年度で3.71兆円

「アトラス 迷宮のボルヘス展」妻のマリアさん来日

5月24日7時56分配信 産経新聞

 ■人生は空想と現実が不可分な「旅」

 形而上学的な幻想に満ちた小説集『伝奇集』や詩集『創造者』などで知られ、20世紀ラテンアメリカ文学を代表するアルゼンチン生まれの作家で詩人、ホルヘ・ルイス・ボルヘス(1899~1986年)。東京都千代田区のセルバンテス文化センター東京で開催中の「アトラス 迷宮のボルヘス展」では、晩年、叙勲や講演のために世界中を旅して回った彼の写真と文章約130点を展示。ボルヘスにとっての重層的な「旅」に触れることができる。

2010年5月23日日曜日

〔Q+A〕ドイツ空売り規制の市場への影響

[ロンドン 19日 ロイター] ドイツ政府は19日、一部金融商品について現物手当てのない空売り(ネーキッド・ショート・セリング)の一時的禁止措置を導入した。発表を受けてユーロと欧州株は下落し、市場の流動性への懸念が生じている。
 独連邦金融サービス監督庁(BAFin)は、規制導入の理由を「ユーロ圏の国債に極めて大きな振れが見られるため」と説明。大規模な空売りは金融システムの安定に脅威となりかねないとしている。


 <規制対象は?>  

 ドイツ政府は、ドイツ主要金融機関10社の株式とユーロ圏の国債について現物手当てのない空売りを禁止。ユーロ圏政府債に関連したクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)についても現物手当てのない取引を禁止した。

 期間は5月19日から2011年3月31日まで。


 <目的は?>

 大量の売り持ちは通常、証券価格を押し下げる。今回の規制はギリシャ、ポルトガル、スペインなどユーロ圏周辺国経済に対する圧力を緩和することが目的とみられている。
 欧州連合(EU)と国際通貨基金(IMF)はギリシャに対する総額1100億ユーロ(1370億ドル)の緊急融資策をまとめた。ただ、一部のアナリストは、金融市場でまだ認識されていない隠された問題を回避することが今回の規制の狙いである可能性に懸念を示している。

 アナリストは空売り規制がうまく機能するかどうかは不明だとし、他国の金融センターがドイツと同様の規制を導入しない場合、ドイツにとって規制が裏目に出る可能性があると指摘する。


 <市場の流動性への影響とその理由は?>

 ドイツの単独規制によって他国も同様の規制を導入する可能性が懸念され、市場の流動性に影響が出ている。

 マークイットは、不透明感によってCDS市場の流動性が低く、ボラティリティが高くなっていると指摘。また、周辺国へのエクスポージャーを持つ企業や金融機関が特にアンダーパフォームしていることに触れ、「周辺国のソブリン債デフォルトへの警戒感が高まっていることを示唆している」との見方を示した。

 投資家は、市場のボラティリティがかなり高い局面で、リスク資産のポジションを減らす傾向にある。


 <規制対象が全体に占める割合は?>

 規制が適用されるのは、BAFinの監督下にある金融機関だが、国外支店は含まれない。

 アナリストやトレーダーは、空売りの大半はニューヨーク市場とロンドン市場で行われているとし、そのうち現物手当てのない取引が占める割合を数値化するのは困難だとみている。

 データ・エクスプローラーズによると、現物手当てのない空売りが禁止された10機関の株式のうち、投資家が大量の売りポジションを保有しているのはコメルツ銀行(CBKG.DE: 株価, 企業情報, レポート)株のみ。コメルツ銀行では空売りのため貸し出された株の発行済み株式全体に占める比率が17日の取引終了時点で5.1%に達していた。この比率はドイツ銀行(DBKGn.DE: 株価, 企業情報, レポート)では1%にとどまり、他の8行は2%以下だった。


 <規制がユーロ圏周辺国債とソブリンCDSへの圧力を緩和する可能性は?>

 19日のCDS市場では、ギリシャ10年債GR10YT=RRの独連邦10年債EU10YT=RRに対する利回りスプレッドが拡大したが、このトレンドが持続する、あるいは空売り規制が要因になると予想されているわけではない。

 欧州市場の混乱で投資家が安全な投資先を求めるなか、米国債が独連邦債をアウトパフォームした。これがより持続的な流れとなる可能性がある。
 アナリストは、債券や株式を空売りできないと知った投資家がユーロを欧州資産の下落を見込んだ投資対象とみなすとし、空売り規制でユーロ相場も圧迫されていると指摘する。

 ユーロEUR=は19日、対ドルで4年ぶり安値を更新。欧州株.FTEU3は2.95%安となり、ドイツの金融株は軒並み売られた。


 <市場の反応はどのくらい続くか?>

 ノムラの債券ストラテジスト、ショーン・マローニー氏は、規制によって投資家は独連邦債を買って周辺国の国債を売るというヘッジができなくなるため、規制は中長期的に独連邦債にとって悪材料となるだろうと語る。

 流動性と相場への規制の影響もまた、他の国、さらにはどの国がドイツと同様の規制を導入するかにかかっている。ロンドンやニューヨークなど大規模な金融センターがドイツと異なるルールを採用した場合、空売り規制を回避する道が残ることになる。


 <投資家は規制をいかに回避できるか?>
 トレーダーと投資家が空売り規制を受けて、ドイツ当局の規制に抵触することなく、どのような行動に出るかについては、以下を含む多くの見解がある。

 1)ユーロ圏内の国債とソブリンCDSの売り持ちを規制対象外のニューヨーク市場とロンドン市場で継続。

 2)ドイツの金融機関のCDSあるいはiTraxx MainなどのCDS指数に投資。

 3)フランクフルト株式市場に上場されているファンドを売却し、金融以外のドイツ株を購入。輸出関連株はユーロ安の恩恵を受ける可能性が高いため。

 4)欧州の銀行株など規制対象と関連した資産を売却。