2008年12月13日土曜日

HSBC資産運用セミナーの要旨

HSBCのアナリスト Ian Morris 氏による米国経済の現状と見通し

筆者はIan Morris 氏の実績を知りません。しかしながら12/12東京日本橋の他、横浜、神戸の一部顧客向けにも映像が流されたということで、それなりに影響力のある人物の発言としてご紹介します。

・実体経済への影響は自動車販売の現象等で既に顕在化しているが、2009年半ばには底打ちするだろう。
・米国債を消費者が購入するが、社債はまだ。
・失業率は6.7%(現在)から8.8%でピークに。オイルショック以来の高い水準になる。
 財政拡大、量的緩和が失敗した場合、12%。
・FRBはインフレ目標を止め物価目標へ。インフレ期待が起こるかもしれない。
これから6ケ月経済は停滞する。事業者向け商業ローンの延滞率はこれから2年で6%まで上がるかもしれない。(現在1.7%)
・株式はPER8倍で極めて割安、しかしながら業績下方修正で実際は13~15倍か? それでも安い。
・2009年上期さらなる最安値の可能性。小売、旅行、レストラン、航空はだめ。
 ディフェンシブとしては、ヘルスケア、公益法人、インフラ銘柄
 長期では気候変動銘柄、グリーンテクノロジー、バイオテクノロジー
・米国債は良い。安全な投資
円は高くなる。(短期) 85円位それ以上の水準では日銀が介入するかもしれない。
 3~6ケ月後、円安に転ずるかもしれない。

2010年、円ドル110~115円に戻す(ファンダメンタルを反映)
ユーロがドルに対して安くなるかも。
豪、NZの資源通貨に対して円安。 長期では高くなる?
・リスクを取るのには時期尚早。(短期では慎重に) 2009年後半、パフォーマンス良くなる。


HSBCといえばGOLDと連想しますが、日本国内では一般銀行業務しかできないためかコモディティ関連の発言は一切ありませんでした。それでもキーワードから推測してみます。

2009年上期                2009年下期
 これから6ケ月経済は停滞する    2009年半ばには底打ち  パフォーマンス良
  金価格下落                金価格上昇

 円は高くなる。(短期)          3~6ケ月後、円安に転ずるかもしれない。
                          金価格上昇

 ユーロがドルに対して安くなるかも
  金価格下落 

 豪、NZの資源通貨に対して円安。   
 =世界経済停滞のためなら      世界経済上昇のためなら      
  金価格下落                金価格上昇
 
 
 以上を信ずるのであれば、年内に一時的な円安局面があればGOLDを売却しレパトリによる円高に備える。
 2009年下期までに再度、GOLDを購入する。原油関連も忘れずに購入といったところでしょうか。  

 『日韓スワップ協定が現在の130億ドルから300億ドル規模に拡大されることで、170億ドル規模の円売り・ドル買い要因になる模様。』と既に書いていましたね。 年内の一時的な円安局面は既に用意されていたわけです。 来週の為替と金価格に注目です。 
 

   
   

チェンマイ・イニシアティブ発動!! 間近か?

つい先程、福岡県太宰府市の九州国立博物館で日本、中国、韓国の3か国首脳会談が開かれ、NHKで記者会見の実況が流されていました。
記者会見でも触れられず、おそらく明日の新聞、テレビでも報道されないでしょうが、今回の首脳会談の目的はチェンマイ・イニシアティブの発動により韓国を救うことにあります。
まだ詳細は不明ですが、日・韓・中通貨スワップ協定拡大合意がおそらく今日発表されており、日韓スワップ協定が現在の130億ドルから300億ドル規模に拡大されることで、170億ドル規模の円売り・ドル買い要因になる模様。
日本には韓国他に約3兆円の支援義務が持たされるとなると、世論の円高一辺倒とは逆に、ドル高、円建て金価格の高騰につながるかもしれません。
小生が知る限りチェンマイ・イニシアティブについてこの一週間に報道している国内報道機関は、CNBCと通信社の配信するネットの記事のみです。報道規制が敷かれているのは間違いありませんが、規制しなければならないほど国民には言いたくないニュースなのは間違いないようです。

ロジャーズ「原油価格は再び高騰。1バレル200$に」

12月13日9時2分配信 サーチナ

米著名投資家のジム・ロジャーズ氏は12日までに、「原油価格は再び高騰する」との見方を示した。フェニックス・テレビが伝えた。
原油の先物価格は7月に過去最高の1バレル当たり147米ドルを記録したが、その後は急落、40米ドルの水準まで落ち込んだ。ロジャーズ氏によると、「原油価格は、間もなく底を打つ」。同氏は8日から12日にかけても、原油関連商品を購入したという。
同氏によると、原油資源はますます少なくなっており、最終的には1バレル当たり200米ドルの水準になる。時期としては2013年以前だという。


11/16(日) 10:09

米著名投資家のウォーレン・バフェット氏が率いるバークシャー・ハサウェイ社が、石油スーパーメジャーのコノコフィリップスの筆頭株主になっていたことが、16日までに分かった。新浪財経が伝えた。
バ社は、3月31日までは約1750万株だったコノコフィリップスの保有株式数を9月30日までに約8300万株までに買い増した。バ社は買い増しについて、エネルギー需要は地球規模で長期的に上昇しつづけるとの見通しを表明した。
バ社の提出した資料によると、同社は米テキサス州の二大発電会社、NRGエナジー社と、油圧システム、産業用制御機器、自動車部品などを製造する米イートン・コーポレーションの株式も買い増し、一方で米大手銀行のバンク・オブ・アメリカの株式を放出した。
コノコフィリップスは、コノコとフィリップス石油が2002年に合併して設立。エクソンモービル、シェブロンなどと並び、スーパーメジャーと呼ばれる6大石油会社の1社とされる。

原油はOPEC注目、金は900ドル超え目安=エース交易

原油はOPEC注目、金は900ドル超え目安=エース交易 岩井正道・ホームトレード部商品担当部長 東保明・石油法人部課長

――直近の原油価格は1バレル=40ドル台まで急落しています。今後の見通しは?

東:石油先物価格を見ると、概ね期近限月から期先に行くほど値段が上がっているのですが、最近その幅が非常に大きく広がっています。原油市場でも同じ現象が起こっており、いずれ幅の拡大がピークを迎える可能性があり、大型原油船で洋上備蓄する動きも出始めており、価格の転換に結び付くかもしれません。在庫するコストをはるかに超える先高となっているわけで、合理的な動きをするならば、速やかに裁定が働き、期近高・期先安傾向に転じるわけです。

――原油価格が底入れする兆しが見えるかもしれないということですね?

東:ただし、まだ予断を許さない状況が続いていることに変わりはありません。12月17日に開催されるOPEC(石油輸出国機構)定例総会に注目したいところです。10月の臨時総会では日量150万バレルの減産が決定されましたが、今回更なる減産が決まるのか? イニシアチブを握るサウジアラビアの言動からは追加減産決定か据え置きかの両方があり得るでしょう。据え置きや小幅減産決定の場合はロシアOPEC加盟とか何かサプライズ的なことがあるかもしれません。OPEC加盟国の思惑は一枚岩ではなく、サウジアラビアは必ずしも原油高を望んでいないふしもあります。石油価格が上がって需要が長期低迷することはむしろマイナスだと考えるからです。
とはいえ、冬場を過ぎて原油需要が減少する春先以降、安値のまま供給し続けることは原油収入が大きく減ることに結び付きますから、1-3月にかけて価格が反転上昇する可能性はあるかもしれません。また世界景気動向による石油需要減少度合も注視が必要です。

――金価格についてはいかがでしょうか?

岩井:金価格は原油や穀物の価格ほど大きくは下がっていません。ニューヨーク金は1トロイオンス=700ドルで下げ止まり、750から800ドルと水準を切り上げています。原因のひとつは、ドル安・株安を受けて、より安全な現物通貨である金の魅力が再認識されているからです。このところ金貨(コイン)の品薄状態が続いていることが、それを象徴しているといえるでしょう。小口で買えるコインや純金積立の人気が高まっているようですね。日本だけでなく、世界的に金融商品や不動産などの価格が軒並み下落する中で、金を求める人が増えています。

――今後の金価格の見通しは?

岩井:来年1月20日に就任するオバマ次期米大統領の政策にもよりますが、米経済が回復軌道に乗れば、金価格は2010年1-2月ごろまで上昇が続く可能性もあります。上値抵抗線である1トロイオンス=900ドルを上抜けできるかどうかが大きなポイントですね。しかし、オバマ政権誕生後も米国が不況から抜け出せないようであれば、金価格にもマイナスの影響を及ぼすかもしれません。(取材・文責:サーチナ・メディア事業部)