2010年7月16日金曜日

ゴールドマン:ドルの対ユーロ、対円相場見通しを引き下げ

7月15日(ブルームバーグ):米ゴールドマン・サックス・グループは、ドルと円に対するユーロ相場の見通しを引き下げた。米国経済の減速と欧州経済統計の「十分な底堅さ」を理由に挙げている。

同社は、米連邦準備制度理事会(FRB)が政策金利を据え置く一方、日本の政策当局よる外国為替市場への介入の可能性が低くなったことを背景に、円は対ドルで上昇するとみている。ゴールドマンは電子メールで配布した14日付リポートで、ユーロは向こう3カ月と6カ月、1年でそれぞれ1ユーロ=1.22ドル、1.35ドル、1.38ドルになるとの予想を示した。従来は向こう3カ月と6カ月が1ユーロ=1.15ドル、1年で1.25ドルをそれぞれ予想していた。

トーマス・ストルパー氏(ロンドン在勤)を含むゴールドマンのアナリストはリポートで、「ここ数週間に特徴的だったのは、米国の経済成長の軟化と、十分に底堅いユーロ圏のマクロ経済指標、懸念されていたほどではなかった政治や財政の混乱だ」と指摘。

対円では、向こう3カ月のドル相場の見通しを1ドル=85円と、従来予想の1ドル=92円から引き下げた。向こう6カ月と1年では、それぞれ83円と90円を予想。従来見通しはそれぞれ94円と98円だった。

ユーロは対ドルで今後2カ月間に6%上昇、円も一段高へ-ファロス

7月16日(ブルームバーグ):中国が外貨準備で米国債を手放す一方、欧州や日本など流動性の高い債券市場に向かう中、外国為替市場ではユーロと円が一段と上昇する公算が大きい。ファロス・トレーディングが指摘した。

  同社のトレーディング責任者、ダグラス・ボースウィック氏は電話インタビューで、中国が先月19日発表した人民元の弾力化は米国債の保有を減らす柔軟性を同国に与え、これによりユーロはドルに対し今後2カ月で6%上昇し、4月以来の高値を付けるだろうと予想した。中国の温家宝首相は16日、中国にとって欧州は外貨準備の主な投資先の1つだと語った。

  ボースウィック氏は、ユーロは今後2カ月にわたり200日移動平均線の通る1ユーロ=1.3684ドルに向けて上昇するとみている。「中国当局の言う通り、通貨バスケットを参考に人民元が取引されれば、ユーロと円が上昇するのは明らかだ」と語った。

「ゴールまだ先」原油流出止まるも予断許さず

7月16日20時42分配信 産経新聞

 【ワシントン=渡辺浩生】米南部メキシコ湾の原油流出事故で、英メジャー(国際石油資本)BPは15日、海底の油井からの流出が止まったことを確認した。油井に新たに取り付けたふたが機能したたためで、4月20日の石油掘削施設の爆発事故以来、流出が止まったのは初めて。ただ、原油の噴出を根本から完全に食い止めるまでなお、予断を許さない。

 水深1500メートルの海底にある油井の封じ込め作戦は、これまで試行錯誤の連続だった。BPは5月末、油井に大量の泥水を流し込む「トップ・キル」作戦を試みたが、3日間で失敗。6月に、破損したパイプにドーム形のふたを取り付けチューブを差し込み、海上のタンカーで油を吸い上げてきた。だが、油井とのすき間から原油が漏れ続け、回収量も限られていた。

 このためBPは12日、高さ約5・5メートル、重さ約75トンの密閉性が高い筒状の新たなふたに取り換えた。ふたには、油の流出をコントロールできるバルブ(開閉弁)が3カ所ある。

 BPはふたの密閉性を確認する試験に14日夜から着手した後、ふたの1カ所で漏れが見つかったため、試験を中断して修理し、15日午後にバルブを閉める作業を開始した。

 この結果、米東部時間15日午後3時25分(日本時間16日午前4時25分)、水中ロボットが3つ目のバルブを閉め終わった直後、流出が止まった。事故発生から「85日と16時間25分」(AP通信)が経過していた。その瞬間、BPの作戦司令室では拍手がわき起こった。BPのウェルズ上級副社長は「海中で原油が見えないのはうれしいが、感情は抑えようと思う」と気を引き締めた。

 試験は続けられており、BPは海底から約4500メートルの貯留槽まで伸びる油井内の圧力を計測中だ。圧力が十分高い数値であれば、油井に損傷がないことを示し、作戦は大きく進展する。海上の船で油を吸い上げる作業を再開し、日量最大950万リットルとされる流出量を漏れなく回収できる。ハリケーンの襲来で作業が中断しても、その間バルブを閉めれば漏れも防げる。

 逆に圧力が弱ければ、油井が破損し、回りの地層に油やガスが漏れている可能性がある。その場合は試験を打ち切り、バルブを開放し原油を逃す。封じ込め作戦は一転して困難な状況に戻ることも予想される。

 初動の遅れが批判され、支持率低下に悩むオバマ米大統領も「明るい兆しだが、まだ試験の段階だ」と慎重な態度を崩さない。

 最終的な封じ込めは2カ所で掘り進められている「救援井戸」の成否にかかっている。これを油井につなげ、泥やセメントを流し込み封印する。救援井戸は8月中旬までの完成を目指すが、失敗は許されない作業だ。

 一方、海上を漂流し、沿岸の湿地や海岸線に漂着し、米史上最大の環境汚染となった原油の除去には数年かかる。「ゴールはまだ先だ」(BP幹部)といえる。

原油流出止まる=米メキシコ湾事故後初めて―BP

7月16日5時57分配信 時事通信

 【ワシントン時事】英石油大手BPのサトルズ最高執行責任者(COO)は15日、米メキシコ湾沖の原油流出を食い止めるため、流出源の油井に取り付けたキャップの三つのバルブを閉じたところ、流出が止まったと述べた。4月20日の石油掘削施設爆発事故に伴い起きた原油流出が止まったのは初めて。
 サトルズCOOは記者会見で、「勇気づけられる兆候」と歓迎しながらも、今後もテストを続ける必要があると指摘。オバマ大統領も記者団に対し「良い兆候だと思うが、まだテスト段階だ」と慎重な姿勢を示した。
 BPは12日、破損パイプに密閉性の高い重さ約75トンの巨大な筒状キャップを設置。バルブを閉めた状態で油井内の圧力を調べた結果、原油が流出していないことが確認された。テストは6~48時間行われる見通し。
 原油事故処理の統括責任者であるアレン元沿岸警備隊司令官は15日、キャップがうまく機能すれば、原油流出を食い止められる可能性があると語った。ただ、原油の噴出を完全に止めるには、現在掘削中の2本の「リリーフ井戸」から流出油井にコンクリートを流し込んで、根本から封じ込める必要がある。

2010年7月14日水曜日

モルガンSのローチ氏:中国は1-3月期の成長率を持続できない

7月14日(ブルームバーグ):モルガン・スタンレー・アジアのスティーブン・ローチ会長は、中国経済や欧州債務危機について以下の通り、コメントした。

  同会長は14日、ロンドンで行われたブルームバーグテレビジョンとのインタビューで発言した。

◎中国経済と人民元について:  GDP(国内総生産)の伸び率で「1-3月(第1四半期)の11.9%は持続できないということを、中国もわれわれも理解している」  「世界経済の不透明感を考慮すると、中国は人民元の対ドルでの大幅上昇の容認に極めて慎重となるだろう」

  ローチ氏は、中国のインフレは深刻な問題ではなく、同国の金融当局は恐らく年内に利上げを行わないだろうと語った。

◎欧州のソブリン債危機について:  危機は「重大だ」  「欧州各国政府の財政公約に信頼を置いていない。実施できないだろう」

1.30ドル付近でユーロ売りを推奨、チャート上の抵抗水準-英RBS

7月14日(ブルームバーグ): ユーロが1ユーロ=1.30ドル付近まで上昇したら、テクニカル上の抵抗線やユーロ圏経済の悪化をにらみ投資家はユーロを売るべきだと、英銀ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループ(RBS)は指摘する。

  RBSの為替ストラテジスト、グレッグ・ギブス氏(シドニー在勤)は14日の投資家向けリポートで、1.3275ドル近辺が「重要」な抵抗水準になるが、ここは「ユーロ安が一段と進む前の今年3月と4月に足場となっていたところだ」と指摘。「ユーロ高とここ最近の欧州債券市場の安定した動きは、それまでの半年間が急激で劇的な下落だったという文脈の中で依然とらえる必要がある」と述べた。

ゴールドマンの歴史から消された男を孫娘が語る

7月14日(ブルームバーグ):ジューン・ブレトン・フィッシャー氏によると、米投資銀行ゴールドマン・サックス・グループの幹部専用フロアの入り口には歴代のシニアパートナーの肖像画が飾られている。同氏はじっくりと眺めた後で「わたしのおじいさんはどこ?」と聞いたという。

  革新的な金融手法で近代銀行業というものを形作ったヘンリー・ゴールドマン氏の肖像はそこにはない。創業者の息子である同氏をしのぶスナップ写真すらない。

  代わりに、孫娘のフィッシャー氏の著書「When Money Was inFashion: Henry Goldman, Goldman Sachs, and the Founding of WallStreet(仮訳:マネーがはやったころ:ヘンリー・ゴールドマンとゴールドマン・サックス、ウォール街の創設)」が、ゴールドマンの歴史から消された男、ヘンリー・ゴールドマン氏の姿を生き生きと伝える。フィッシャー氏に話を聞いた。

おじいさんとの思い出で好きなものは何ですか?

「夏休みを家族で、アディロンダック(ニューヨーク州の北東部、アパラチア山脈にある山岳地帯)にある祖父母の家で過ごしたの。そういう時の祖父はいつもよりリラックスしていて楽しい面を見せてくれたわ」

おじいさんといろいろなことを一緒にしましたか?

「テニスやクロケットの大会があると一緒に座ったわ。祖父はそのころもう目が見えなかったから、わたしがスポーツキャスターになって試合を実況してあげたの」

改革

そのころにはおじいさんはすっかり業界を改革されていましたよね?

「祖父は業界の予言者だった。新規株式公開(IPO)や株価収益率(PER)、米連邦準備制度をつくった人で、その上、米経済の土台になる56の企業の証券を引き受けたのよ」

ゴールドマン創設者のひいおじいさんもすごい方ですね。でも最初、息子のヘンリー氏ではなく娘婿のサム・サックス氏にゴールドマンに入るよう求めた。なぜだったのですか?

「曽祖父は口が立たない祖父を過小評価していたの。それに、祖父は目が悪かったためにハーバードを中退していたし」

ヘンリー氏は結局1885年にゴールドマンに入社されましたね。状況が変わったのでしょうか?

「事業があまりにも速いペースで拡大して、人手が必要になったからよ。祖父はサム・サックスと同じポストで採用されたわけじゃなかったけど、鉄道債への投機ですぐにお金をもうけ始めたわ」

ドイツ

  「頭の回転が速くて新しい投資先を見つけるのがうまかった。一番すごいと思ったのは、ユナイテッド・シガーのような会社の優先株と普通株を発行する計画を1時間で作ってしまうところだった」

ゴールドマン対サックスの争いを引き起こしたのは何だったのですか?

「最初は、第一次世界大戦についての見解が全く反対だったことね。祖父はドイツ寄りでサックスさんは連合軍びいきだった。そのことで長い間怒鳴り合っていたわ」

そしてとうとうヘンリー氏がゴールドマンを辞めたのですね?

「祖父は怒っていたし争いにうんざりしていた。それでとうとう、机を片付けて出て行ったの。15件の大口顧客と会社への自分の出資分を持ってね。最有力のパートナーだったから、利益の取り分も一番多かった」

なぜそんなにドイツ好きだったんでしょう?

「1年のうち半分をドイツで過ごしていたの。ドイツ人は働き者で、働き方についても斬新だと考えていた。子供と花を愛する人たちだとも思われていたし」

道徳心

ヒットラーはおじいさんの気持ちを変えましたか?

「祖父と祖母はベルリンに行って、いつも楽しい時間を過ごしていたの。でも友達だった人たちが口をきいてくれなくなり、オペラにも行かれなくなったし、30年来の顔見知りのウェイターさんが注文を取りに来るのを嫌がるようになったんですって」

「白い杖をついているのに路上で押されたりして、ドイツが変わってしまったことに気付いたの」

おじいさんの対応はどんなものでしたか?

「大勢の友達を助けたわ。芸術家や作家、科学者たちのためにビザと仕事を手に入れてあげたの」

このごろはゴールドマン・サックスのことがよく報道されていますね。でも同社がこのように論争の的になったのは今回が初めてではないですよね?

「ええ、1930年代にもひどくたたかれたわ。祖父の後任として入ってきたワディル・キャッチングスという人物は頭が良かったけど悪党だったの。彼がつくった幾つかの投資会社はつぶれるまでは大きくもうけたけれど、実はねずみ講以外の何物でもなかったのよ」

現在の状況をどうお考えになりますか?

「がっかりしているわ。祖父もサックスさんも、とても倫理的で道徳心のあるビジネスマンだった。彼らが心底で何よりも望んでいたのは、ゴールドマン・サックスの名前を守ることだったのよ」(ジンタ・ルンドボーグ)

(ルンドボーグ氏はブルームバーグ・ニュースの芸術、娯楽分野の書評家です。このインタビュー記事内の見解は同氏自身のものです。この記事は長い対話から抜粋してまとめました)

2010年7月11日日曜日

「プラダ」が中国製に?上海企業が買収交渉

7月10日19時56分配信 読売新聞

 【北京=幸内康】上海の中国企業が、イタリアの高級ファッションブランド「プラダ」の買収交渉を進めていることが10日、明らかになった。

 中国紙「経済観察報(電子版)」が伝えた。

 買収交渉を進めているのは、上海富客斯実業(英語名・フォックスタウン)で、ブランド品を割安で販売するアウトレット店を中国国内に展開している。すでにプラダの株式の約13%を所有しており、今回は買い増しを要求している。

 プラダの現経営陣を今後5年間変えない一方、アジアの消費者向けに低価格商品を投入する計画を示しているという。

 これに対し、プラダ側は株式の売却価格を引き上げ、交渉は難航しているという。


7月10日20時0分配信 時事通信

 【上海時事】上海に拠点を置く中国企業が、イタリアの高級服飾ブランド「プラダ」の買収に向け交渉していることが分かった。既にプラダ株13%を保有し、現在プラダ側と追加取得に関する協議中。ぜいたく品市場が急拡大する中国で、企業のブランド取得熱が高まってきた。中国紙・経済観察報が10日伝えた。