2011年9月17日土曜日

今最も儲かる投資は「香港ドル買い」

米著名ヘッジファンド、パーシング・スクエア・キャピタル創業者ビル・アックマン氏が、次の投資先として香港ドルのロングに賭ける方針を明らかにした。理由は、香港中央銀行が2015年までにドルペッグ制を棄てるだろうという読みからだ。

 これは米NYで行われたCNBCの投資家向けカンファレンスでの発言。ビル・アックマン氏と言えば、アクティビスト(物言う投資家)として有名だが、お勧めの投資は通貨取引だった。しかも、香港ドル。

 香港ドルのロング、もしくはコールオプションが「最も利益の上がるトレードだ」と述べた。その理由として「2015年までに香港はドルペッグ制をやめるだろう」だと説明している。

 1983年から採用の香港ドルの米ドルペッグ制。1ドル=7.75~7.85香港ドルに固定されている。ただ、ここ数年はインフレが進んでいる香港で、インフレを抑制するために金利をアップさせたいものの、米ドルが足かせとなってきたのは事実だ。

 現在は、米ドルが各通貨に対して安くなっており、米国と金融政策の歩調を合わせているのと同じような意味になっていた。

2011年9月15日木曜日

仏ソシエテG:商品は「危険地帯」-投資判断「アンダーウエート」に

9月14日(ブルームバーグ):フランスの銀行ソシエテ・ジェネラルの世界資産配分チームは、商品の資産区分が「危険地帯」に入っているとして商品の投資判断を「アンダーウエート」とした。

  同チームは14日配布したリポートで7つの要点の1つとして、金相場の上昇と原油相場の下落を見込んだポジションを取るよう投資家に推奨している。金はリスク回避や中央銀行による購入、マイナス金利による恩恵を受けると予想。経済成長が鈍化しドル相場がユーロに対して上昇する中、原油と銅相場は下落する可能性があるとしている。

  チームはリポートで「原油や銅などサイクルに敏感な商品相場が最近の経済活動の減速にもかかわらず、ここ数週間よく持ちこたえている」と指摘。「このため、これらの商品の相場は大幅に下落するだろう」との見方を示した。

  米商品先物取引委員会(CFTC)のデータによると、経済成長が鈍化しても原油やトウモロコシ、銅が不足するとの見方を背景に、投機家が保有する商品相場上昇を見込む買い越しは約3カ月ぶりの高水準に達している。

商品ETPへの投資、1-7月に29%減-バークレイズ・キャピタル

9月14日(ブルームバーグ):コモディティーの上場取引型金融商品(ETP)への投資が今年1-7月に29%減少した、とのリポートをバークレイズ・キャピタルが発表した。

  バークレイズ・キャピタルのアナリスト、ロクサナ・モハマディアン・モリナ氏は電子メールのリポートで、商品ETPへの資金流入が約78億ドル(約6000億円)と、前年同期の110億ドルから減少したと述べた。金価格は同期間中、15%上昇したほか、S&P GSCI商品指数は8.6%上昇した。

  モハマディアン・モリナ氏は「主に個人投資家が中心となるETPへの投資は、公的部門の金投資意欲、実需の金への健全な需要、先物市場の買い越しポジションの増加とは対照的な動きを示している。潜在的に経済に打撃を与えそうな要因が増えているが、商品に連動するETPへの資金流入は細っている」と述べた。

  ニューヨーク市場の金先物は6日に、1オンス当たり1923.70ドルと過去最高値を付けた。ユーロ圏と米国の景気減速が示されていることから投資家が逃避的な動きを強めた。

  バークレイズによると、1-7月に貴金属ETPへの投資は約3分の1に減った。非鉄金属ETPの8月の資金流出量は過去最大。農産品ETPは5カ月連続の流出超。

  モハマディアン・モリナ氏は電話で、「商品市場は株式などの市場に比べると、はるかによく持ちこたえていることを認識するのが重要だ」と述べた。

2011年9月13日火曜日

仏BNPパリバ幹部:もはやドル建てで借り入れできない-WSJ

9月13日(ブルームバーグ):フランスの銀行BNPパリバはドル建ての借り入れができなくなっている。米国のマネー・マーケット・ファンド(MMF)がBNPへの貸し付けを停止したからだという。米紙ウォールストリート・ジャーナルが同行の幹部の先週の発言として報じた。発言者の名前は示していない。

  同紙によると、BNPはドル建て資金が調達できないためユーロ建ての取引をしていると幹部は述べ、これが機能しない場合、同行は「信頼を失い誰も当行に資金を貸さなくなるだろう」と語ったという。

金相場の上昇は通貨への「不信任投票」-グリーンスパン前FRB議長

9月9日(ブルームバーグ):グリーンスパン前米連邦準備制度理事会(FRB)議長は9日、金価格の上昇は世界の主要通貨に対する「不信任投票」だと述べ、金は商品という以上に貨幣として捉えるべきだとの考えを示した。

  グリーンスパン前議長はメキシコ市でのイベントで発言。「金価格が急激に上昇しているときは、何かがおかしくなっている」とし、「これは炭鉱のカナリアだ」と語った。

  前議長はまた、欧州債務危機を解決する唯一の方法は欧州各国の財政を統合することだと述べた。

「パーフェクトストーム」は持続、金に肯定的見方維持-モルガンS

9月13日(ブルームバーグ):米モルガン・スタンレーによると、金を資金の避難先とみる投資家の需要が再燃しているため、金相場に好都合な「パーフェクトストーム(破滅的な状況)」は持続する見通しで、金価格は1980年に付けたインフレ調整後の最高値に達する可能性がある。

  同社はリポートで、金融のシステミックリスクや景気の二番底、持続的な低金利といったマクロ経済上の難問が入り混じった「恐怖のカクテル」に備えたポートフォリオの保険として、金の役割に肯定的な見方を維持していることを明らかにした。

  リポートは現在の金相場の見通しについて、同社が「強気のケース」として今年の目安とした1オンス=1625ドルや2012年の1819ドルの方向となっていると説明。同社の計算によると、金は来年1819ドルから2085ドルの間で取引される確率が現在85%あるという。

  アナリストらは「経済成長の下振れリスクの源はソブリン債リスク対応に関係した政策ミスであり、その結果として先進国の実質マイナス金利が長期間にわたる公算が大きいことから、金に予想されるリスクは断然上向きに偏っている」と分析した。

  同社の基本シナリオでは、今年の金価格の平均は1511ドル、12年は1624ドル。金現物価格は今月6日に過去最高値1921.15ドルを付けた。今年の平均は1523ドル。シンガポール時間午後零時時19分(日本時間同1時19分)時点で1832.57ドル。

  金現物価格は1980年1月に850ドルのピークを付けたが、これをインフレで調整すると現在の2330.51ドルに相当し、インフレ調整後ベースでは過去最高値をまだ下回る水準にある。